『患者のための医療法律相談』を法学書院から出版しました.
共同編集の石川順子弁護士と話し合い,患者が疑問を感じる,大小様々な問題について,解決の方法,方向を示唆する本を目指しました.患者側の立場で,苦情相談・法律相談,医療事故調査,医療安全に対する政策提言,その他患者の権利の向上のために活動している全国各地の弁護士に執筆をお頼いしました.
患者と医師とのコミニュケーションがスムーズなものとなり,患者の権利の実現が図られ,安全で納得のいく医療が受けられる手助けとなれば,大変嬉しいです.
第1部は,「患者の力で医療を良くする」という誌上講演です.
第2部は,よりよい医療を実現するための70の質問と回答,それに10のコラムです.
70の質問は,以下のとおりです.
《診療のはじまり》
Q1
「患者の権利」とは何か
Q2 治療を続けているのに病気が治らない
Q3 医師の診療拒否は許されるか
Q4
診断書を書いてもらいたい
Q5 救急車を呼ぶか迷うときには
Q6よい病院、よい医師を探すには
《診療科》
Q7
診療科を迷うときには
Q8 セカンドオピニオンとは
Q9 複数の病気がある
《診療の内容》
Q10
医師によって説明内容が違うがどうしたらいいか
Q11 診断ミスはなぜ起こるのか
Q12 人体実験への同意
Q13
臨床試験への参加を検討している
Q14 臓器移植とは
Q15 不妊治療とは
Q16 がん医療における緩和医療とは
Q17
延命治療の中止を勧められたら
Q18 リヴィングウィルとは
《費用》
Q19 保険診療、自費診療、混合診療とは
Q20
差額ベッド代、シーツ洗濯代は払わなければならないか
Q21 領収証、明細書をもらいたい
Q22 医療費の援助を受けたい
Q23
診療費を払わないと
《説明》
Q24 説明を受けるには
Q25 同意書にはどのような意味があるか
Q26
病気のことを正しく知りたい
《入退院》
Q27 強制的に入院させられてしまった
Q28
病院から退院を求められた
《医療者との対応》
Q29 主治医を変えてもらいたい
Q30
病院の職員は秘密を守ってくれるか
Q31 看護師にできることは
Q32 母が職員に虐待されているかもしれない
Q33
感染症のために差別されている
Q34 ドクター・ハラスメントとは
Q35
病院にクレームを言いたい
《真実を知りたい》
Q36 カルテのコピーがほしい
Q37
カルテが読めない、簡単すぎる、事実と違う
Q38 解剖を勧められたら
Q39 事故調査委員会とは
《賠償》
Q40
損害賠償を受けられない(一)─ 過失
Q41 損害賠償を受けられない(二)─ 因果関係
Q42 合併症と医療過誤はどう違うか
Q43
損害賠償額の相場は
《解決方法》
Q44 弁護士は何をしてくれるか
Q45
医療機関での不安や不満はどこに相談したらいいか
Q46 医療ADRでは、何ができるか
Q47 医療裁判とは
Q48
「医療崩壊」の原因は
Q49 患者会とは
《医療過誤》
Q50 医療過誤にあわないためには
Q51
頭部外傷の医療過誤
Q52 腹痛の医療過誤
Q53 背部痛の医療過誤
Q54 のどの痛み(咽頭痛)の医療過誤
Q55
発熱の医療過誤
Q56 麻酔の医療過誤
Q57 看護の医療過誤
Q58 精神科の医療過誤
Q59
脳神経外科の医療過誤
Q60 循環器科の医療過誤
Q61 小児科の医療過誤
Q62 助産院の医療過誤
Q63
産科医療補償制度とは
Q64 歯科の医療過誤
Q65 美容の医療過誤
Q66 包茎手術にまつわるトラブル
Q67
レーシックにはどんな医療過誤があるか
《薬》
Q68 薬について知りたい
Q69 薬の副作用被害は補償されるか
Q70
がん対策基本法で何が変わるか
私以外に,12人の弁護士が執筆しています.
福岡の久保井摂先生,小林洋二先生,
大阪の岩本朗先生,
名古屋の堀康司先生,
横浜の鈴木野枝先生,
札幌の田端綾子先生,
東京の,石川順子先生,後藤真紀子先生,三枝恵真先生,田井野美穂先生,高梨滋雄先生,岡村香里先生
です.
本書の成果は,12人の先生方のお力によるものであることを,改めて申し上げます.
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