「法の目標は平和であり、これに達する手段は闘争である。」(ルドルフ・フォン・イェーリング『権利のための闘争』より)
交渉
法的な責任を立証できる見込みがあり、かつ患者ご家族から損害賠償請求の依頼があった場合は、その旨を病院に書面で伝え、話し合いにより、損害の公平な負担を実現するよう求めます.
なお、弁護士が代理しての交渉では、損害賠償額の算定は、より高額な「裁判基準」が用いられます.
病院は、通常、弁護士を代理人とし、交渉に応じます.交渉と言っても、書面によるやりとりがほとんどです.
日本保険会の保険を使うには医師会の審査が必要であり、を医師会の審査には一定の時間が必要です.病院側の対応によっては、相当の時間を要する場合もあります.
双方が譲歩することで交渉によって解決する事案も少なくありませんが、交渉によって解決できる事案は、少なくとも病院側に示談金を支払って解決する意思があることが必要です.
病院側にその意思が全くないことが確認できた場合は、その時点で交渉は終了します.病院側に示談金支払いの意思が全くないことが確認できた場合は、民事訴訟を提起し、患者側が注意義務違反・因果関係・損害を立証して判決によって賠償金支払いを強制する方法を検討することになります.
医療ADR
病院側との交渉が遅々として進展しない場合(ただし、示談金支払いの意思が全くないことが確認できない場合)、弁護士会の医療ADRを申立てることがあります.
東京3弁護士会の医療ADRは、弁護士3人があっせん人として関与し、和解解決を目指す手続きです.
病院側が紛争を合理的に早期に解決したいと望む場合は、医療ADRを応諾し、合理的な解決を図るであろう、と期待できます.双方が譲歩することで医療ADRで解決できる事案も、結構あります.
@病院側が医療ADRを応諾しない場合、A医療ADRで合理的な解決ができない場合は、次の段階(医療裁判)に進むことを検討てます.
交渉・調停・医療ADRにかかる弁護士費用・実費
[弁護士費用]
医療交渉・調停・医療ADR事件の着手金は、10万円+消費税です.着手金は、示談金が得られなかった場合にも、返金いたしません.
報酬金は、示談金額の15%+消費税です.
[実費]
実費は、弁護士会に支払う、医療ADR申立費用(1万500円)、医療ADR期日費用(1期日5250円)、医療ADR成立手数料、そして、コピー代、郵送料、交通費などがかかります。
それぞれの事案の内容・病院側の対応により、実費も異なってきますので、交渉・調停・医療ADR委任契約をお奨めする際に、実費の見込みについて、おおよそですがお示しします.