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原因分析報告書 事例番号280201~280300
事例番号:280300
〇 妊娠 31 週 3 日、4 時 47 分からの分娩監視装置装着後の対応(胎児心拍数陣痛図上高度遷延一過性徐脈を認める状況で約 40 分後に分娩監視装置を終了、胎児心拍数波形の所見、医師への報告について診療録に記載がない)は一般的ではない。
事例番号:280299
〇 家族からみた経過のとおり、「入院から分娩までの間、何度も胎動を感じないことを伝えていたがそれに関しての記録がない」とすれば一般的ではない。
事例番号:280298
□ 学会・職能団体に対して
遅発型 GBS 感染症に対する疫学的調査・予防・診断・治療に対する知見の集積が望まれる。
事例番号:280297
□ 学会・職能団体に対して
新生児ヘルペスを発症した際に、感染経路を特定するための母体検査法の指針を策定することが望まれる。
症例を集積し、新生児ヘルペスの早期診断法の確立と発症後の後遺症予防法の開発が望まれる。
事例番号:280296
□ 学会・職能団体に対して
地方自治体に対して、妊娠中の B 群溶血性連鎖球菌スクリーニングを、「産婦人科診療ガイドライン」で推奨する時期に公的補助下に一律に実施できる制度を構築するよう働きかけることが望まれる。
※ 「産婦人科診療ガイドライン-産科編 2014」では、腟分泌物培養検査(GBS スクリ-ニング)を妊娠 33 週から 37 週に実施することを推奨しているが、検査費用の公的補助制度によって同時期の実施が難しい地域がある。
分娩前に発症した異常が中枢神経障害を引き起こしたと推測される事例について集積し、原因や発生機序について、研究の推進が望まれる。
事例番号:280295
□ 学会・職能団体に対して
脳性麻痺発症に関するデータベースの構築を進め、脳障害発症予防に向けた臨床的、基礎的研究を推進することが望まれる。
事例番号:280294
〇 妊娠 39 週 4 日、11 時 40 分から 13 時 30 分までの 110 分間、分娩監視装置や間欠的児心拍聴取による分娩監視を行わなかったことは基準から逸脱している。
事例番号:280293
〇 妊娠 35 週 0 日 11 時 26 分から装着した胎児心拍数陣痛図で、胎児心拍数基線が頻脈になり、軽度遅発一過性徐脈が出現している状況で、35 分後に胎児心拍数モニタリングを終了したこと、およびその後 18 時 40 分まで分娩監視装置の再装着や超音波断層法による胎児評価を行わずに経過を観察したことは、いずれも一般的ではない。
〇 11 時 26 分以降の胎児心拍数波形の評価について、医師の判読が診療録に記載されていないことは一般的ではない。
〇 新生児蘇生について、診療録に経時的な処置の記載がないことは一般的ではない。
事例番号:280291
〇 妊娠 40 週 1 日 4 時 33 分以降、胎児心拍数波形分類で異常波形・中等度(サイナソイダルパターン)が認められた状況で、保存的処置の施行および原因検索、急速遂娩の準備を行わずに経過観察したことは、一般的ではない。
〇 妊娠 40 週 1 日 5 時 40 分頃、胎児心拍数陣痛図でレベル 5(異常波形・高度)が認められた時点から吸引分娩実施までに約 35 分、分娩に至るまでに約 1 時間 12 分を要したことは一般的ではない。
〇 急速遂娩法として吸引分娩を選択したことについて、診療録に人工破膜時の児頭の位置の記載がなく評価できない。
〇 吸引分娩が選択され、開始から娩出まで約 37 分を要したことは一般的ではない。
事例番号:280290
□ 学会・職能団体に対して
脳性麻痺発症に関与すると考えられる異常所見を見出すことができない事例を集積し、疫学調査や病態研究等、原因解明につながる研究を推進することが望まれる。
事例番号:280289
〇 分娩監視装置記録の紙送り記録速度を 1cm/分としたことは基準から逸脱している。
〇 入院時、サイナソイダルパターンや高度遅発一過性徐脈のみられるレベル 5(異常波形・高度)の状況で、急速遂娩の実行、新生児蘇生の準備を行わずにオキシトシン注射液の投与を開始したことには医学的妥当性がない。
〇 オキシトシン注射液による陣痛促進について、説明・同意が取得されているか、不明であり評価できない。
〇 オシキトシン注射液投与について、増量間隔、溶解方法(原因分析に係る質問事項および回答書によるとブドウ糖注射液 500mL に 5 単位溶解)、管理方法(ほぼ連続的に分娩監視装置装着)は基準内であるが、オキシトシン注射液の初回投与量(20mL/時間)及びその後の増量(20mL/時間から 40mL/時間へ増量)は基準から逸脱している。
〇 帝王切開決定から児娩出までに要した時間については、帝王切開決定時刻の記載がなく評価できない。帝王切開決定時刻の記載がないことは一般的ではない。
事例番号:280288
□ 学会・職能団体に対して
新生児 GBS 感染症の発生機序の解明、予防方法、早期診断に関する研究を推進することが望まれる。
地方自治体に対して、妊娠中の B 群溶血性連鎖球菌スクリーニングを、「産婦人科診療ガイドライン」で推奨する時期に公的補助下に一律に実施できる制度を構築するよう働きかけることが望まれる。
※ 「産婦人科診療ガイドライン-産科編 2014」では、腟分泌物培養検査(GBS スクリーニング)を妊娠 33 週から 37 週に実施することを推奨しているが、検査費用の公的補助制度によって同時期の実施が難しい地域がある。
事例番号:280287
□ 学会・職能団体に対して
常位胎盤早期剥離は、最近の周産期管理においても予知が極めて困難であるため、周産期死亡や妊産婦死亡に密接に関与する。
常位胎盤早期剥離の発生機序の解明、予防法、早期診断に関する研究を推進することが望まれる。
事例番号:280285
〇 オキシトシンによる分娩誘発の説明と同意の詳細について、診療録に記載がないことは一般的ではない。
事例番号:280283
□ 学会・職能団体に対して
胎児期の中枢神経障害発症機序解明に関する研究の推進および研究体制の確立に向けて、学会・職能団体の支援が望まれる。
事例番号:280282
□ 学会・職能団体に対して
常位胎盤早期剥離の発生機序の解明、および予防方法や早期診断について、研究を行うことが望まれる。
事例番号:280281
□ 学会・職能団体に対して
医学的に未解明の先天異常の可能性がある事例の集積を行い、その病態を解明する研究を推進することが望まれる。
事例番号:280280
□ 学会・職能団体に対して
胎児期の脳室内出血および水頭症、孔脳症に関する疫学、病態について調査研究を行うことが望まれる。
事例番号:280279
□ 学会・職能団体に対して
常位胎盤早期剥離の発生機序の解明、および予防方法や早期診断について、研究を行うことが望まれる。
事例番号:280278
〇 家族からみた経過のとおり、児の抱き方の説明がなかったとすれば一般的ではない。また、開始後の対応(児の様子を妊産婦に問いかけたのみで、助産師自ら観察しなかったこと)は一般的ではない。
事例番号:280277
〇 妊娠 40 週 0 日外来時の胎児心拍数陣痛図の判読と対応(リアシュアリングと判読し、2 日後に受診を指示したこと)は医学的妥当性がない。
〇 妊娠 40 週 1 日 0 時 3 分からの胎児心拍数陣痛図において、基線細変動の減少、遅発一過性徐脈を認めている状況で、0 時 37 分に分娩監視装置を終了したことは基準から逸脱している。
〇 妊娠 40 週 1 日 1 時 5 分以降、胎児心拍数異常(基線細変動の消失、反復す る高度遅発一過性徐脈)を認めている状況で、保存的処置(酸素投与、輸液、体位変換)を行っているが、急速遂娩の実行までに 1 時間 5 分要したことは一般的ではない。
〇 妊娠 38 週 3 日に実施の骨盤レントゲン撮影実施の適応と判読結果、子宮口全開大の時刻、吸引分娩開始時の児頭の位置についての記載がないことは一般的ではない。
事例番号:280275
〇 分娩経過中、13 時 16 分に人工破膜を実施するまでの間に、児の回旋について診療録に記載がないことは一般的ではない。
事例番号:280274
□ 学会・職能団体に対して
入院前に発症した異常が中枢神経障害を引き起こしたと推測される事例について集積し、原因や発症機序について、研究の推進が望まれる。
事例番号:280273
〇 分娩誘発に際し、口頭での説明のみなされたことは一般的ではない。
事例番号:280272
〇 子宮収縮薬(オキシトシン)の投与方法について、5%ブドウ糖 500mL にオキシトシン 5 単位を溶解し、開始時投与量を 80mL/時間としたことは基準から逸脱している。
〇 子宮収縮薬投与中に、胎児心拍数陣痛図で 13 時 40 分頃に軽度変動一過性徐脈を認めた後、13 時 44 分に分娩監視装置を終了し、児娩出までドップラ法のみで胎児心拍数を確認したことは基準から逸脱している。
〇 分娩誘発に関する妊産婦への説明と同意について、口頭でのみ行ったことは一般的ではない。
〇 急変後の新生児への対応(口腔内吸引、足底刺激、保育器収容、酸素投与、バッグ・マスクによる人工呼吸、気管挿管)は一般的であるが、気管挿管後、搬送までの新生児の状態について、診療録に記載がないことは一般的ではない。
〇 新生児の急変後、気管挿管から 55 分後に高次医療機関 NICU へ搬送を決定したことは一般的ではない。
事例番号:280271
□ 学会・職能団体に対して
原因不明の脳性麻痺の事例集積を行い、その病態についての研究を推進することが望まれる。
事例番号:280270
〇 分娩時臍帯血による血小板数測定をしなかったことの医学的妥当性には賛否両論ある。
〇 生後 98 分に児の血液検査で、血小板数が 5000/μL 未満と減少を認め、NICU入室までにさらに詳細な血小板数の検査を行わなかったことの医学的妥当性は不明である。
事例番号:280269
〇 子宮収縮薬(オキシトシン注射液)の使用に際して文書による同意を得たこと、5%ブドウ糖注射液 500mL にオキシトシン注射液 5 単位を溶解し、開始時投与量、増量間隔は基準内であるが、増加量(15mL/時間)は基準から逸脱している。
〇 分娩監視装置を装着していない状態でオキシトシン注射液を増量したことは一般的ではない。
事例番号:280268
〇 妊娠 39 週 6 日の前期破水時の対応(白血球 7600/μ/L、CRP 0.8mg/dL の状況でアミカシン硫酸塩の投与を行ったこと)は一般的ではない。
〇 子宮収縮薬(オキシトシン)による陣痛促進について、口頭のみによる説明と同意の方法は一般的ではない。
〇 精密持続点滴装置を使用せずにオキシトシン注射液を投与したことおよび開始時投与量、増加量、増量間隔、最大投与量は基準から逸脱している。
〇 吸引分娩の適応等について診療録に記載がないことは一般的ではない。
〇 腰椎麻酔がうまくいかずその間に児頭下降を認めたため、吸引分娩を合計 7 回、2 時間 9 分にわたり施行したことは選択されることは少ない。
事例番号:280267
〇 妊娠 13 週 4 日の随時血糖 246mg/dL に対して、HbA1c の検査を行ったことは一般的であるが、4 週間後の受診指示としたことは一般的でない。
〇 妊娠 17 週 4 日の外来受診時の対応(妊娠高血圧症候群の既往があり、前回の健診から高血圧を認める妊産婦に対しダイエットの指示のみで経過観察としたこと)は一般的ではない。
〇 内科治療状況(血圧降下剤の内服状況および内科受診状況)を確認していないことおよび受診間隔(妊娠 25 週 5 日に 3 週間後の受診指示)は一般的ではない。
〇 妊娠 28 週 0 日入院時 11 時 28 分以降の胎児心拍数陣痛図所見(基線細変動の減少、反復する遅発一過性徐脈)で、12 時 22 分に分娩監視装置を終了したことは一般的ではない。
事例番号:280266
□ 学会・職能団体に対して
脳性麻痺発症に関与すると考えられる異常所見を見出すことができない事例を集積し、疫学調査や病態研究等、原因解明につながる研究を推進することが望まれる。
事例番号:280265
□ 学会・職能団体に対して
常位胎盤早期剥離は、最近の周産期管理においても予知が極めて困難であるため、周産期死亡や妊産婦死亡に密接に関与する。
常位胎盤早期剥離の発生機序の解明、予防法、早期診断に関する研究を推進することが望まれる。
事例番号:280264
□ 学会・職能団体に対して
胎児期、周産期および生後の経過でも特に異常を認めないにもかかわらず脳性麻痺を発症した児がどの程度存在するのか、疫学調査を行うこと、またその原因解明のための調査研究を促進することが望まれる。
事例番号:280263
〇 当該分娩機関において、妊娠 28 週 4 日にスタック・ツイン(一方の児に著明な羊水過少)所見を認める双胎間輸血症候群、ならびに一絨毛膜性双胎の一児死亡がみられた妊産婦の搬送を受け入れた時点で、生存児に対して胎児心拍モニタリングや胎児血流などの異常がないかを継続的に確認するという経過観察を行わずに、帝王切開分娩の方針としたことには賛否両論がある。
事例番号:280262
□ 学会・職能団体に対して
常位胎盤早期剥離の発症機序の解明、および予防法に関する研究を推進することが望まれる。
事例番号:280261
□ 学会・職能団体に対して
早産期の脳性麻痺発症の原因や病態生理に関して、更なる研究の推進が望まれる。
事例番号:280260
□ 学会・職能団体に対して
脳性麻痺発症に関与すると考えられる異常所見を見出すことができない事例を集積し、疫学調査や病態研究等、原因解明につながる研究を推進することが望まれる。
事例番号:280259
□ 学会・職能団体に対して
前置胎盤の母体出血が原因で出生した早産児において、どの程度の頻度で脳室周囲白質軟化症がみられるのか、また、その発症機序に関する調査・研究を行うことが望まれる。
事例番号:280258
□ 学会・職能団体に対して
原因不明の脳性麻痺の事例集積を行い、その病態についての研究を推進することが望まれる。
事例番号:280257
〇 子宮収縮薬(ジノプロスト注射液およびオキシトシン注射液)による陣痛誘発・促進について、口頭のみで同意を得たことは選択されることの少ない対応である。
〇 妊娠 38 週 4 日の陣痛誘発開始後から出生までの期間、断続的に胎児心拍数モニタリングを行ったことは選択されることの少ない対応である。
事例番号:280256
〇 母体疲労、微弱陣痛のため、オキシトシン注射液による陣痛促進を妊産婦の同意を得たうえで行ったことは基準内であるが、使用方法(開始時投与量、増量間隔、増加量、安全限界)は基準から逸脱している。
事例番号:280255
〇 妊娠 41 週 0 日および妊娠 41 週 1 日に過期産予防目的で陣痛誘発を行ったこと、ジノプロストン錠の内服を文書による説明・同意を得て開始したこと、妊娠41 週 1 日の内服方法は、いずれも基準内であるが、妊娠 41 週 0 日の内服間隔は診療録通りだとすれば、基準から逸脱している。
事例番号:280254
〇 妊娠 34 週 3 日、当該分娩機関初受診時に超音波断層法で胎児血流波形の異常(臍帯動脈と中大脳動脈流比の逆転)の所見を認めた状態で、次の受診日を 5 日後としたことは一般的ではない。
〇 妊娠 35 週 1 日、当該分娩機関外来におけるノンストレステストはノンリアクティブであり、胎児血流波形の異常(臍帯動脈と中大脳動脈流比の逆転)を再度認めた状態で、妊産婦を帰宅としたことは医学的妥当性がない。
〇 入院後 3 日間(妊娠 35 週 3 日-35 週 5 日)の胎児心拍数モニタリングの判読に関する医師の記録が診療録にないことは基準を逸脱している。
〇 妊娠 36 週 0 日の午前中の胎児心拍数モニタリングの判読所見(胎児心拍数 150-90 拍/分まで低下あり)が看護記録に記載があることは一般的であるが、同日その後の看護記録がないことは一般的ではない。
〇 児出生から、当該分娩機関 NICU に入院するまでの医師の記録がないことは一般的ではない。
事例番号:280253
〇 分娩誘発について文書による説明・同意を得ていないことは一般的ではない。
〇 ジノプロストン錠を使用した適応は一般的であるが、内服中に分娩監視装置による連続モニタリングしなかったことは基準から逸脱している。
〇 オキシトシン投与中に分娩監視装置による連続モニタリングしなかったことは基準から逸脱している。
〇 新生児蘇生の詳細を診療録に記載していないことは一般的ではない。
事例番号:280252
□ 学会・職能団体に対して
脳性麻痺発症に関与すると考えられる異常所見を見出すことができない事例を集積し、疫学調査や病態研究等、原因解明につながる研究を推進することが望まれる。
事例番号:280251
□ 学会・職能団体に対して
わが国における既往帝王切開(とくに古典的子宮切開法)の子宮破裂の発生頻度や発生状況について全国的な調査を行い、発症の予知や予防法について検討することが望まれる。
事例番号:280250
□ 学会・職能団体に対して
加藤らによる全国消防本部へのアンケート調査では、救急隊が出動し、本事例のようなプレホスピタルの分娩を経験した消防本部は全体の半数に及ぶ一方、救急隊員を対象とした周産期救護教育が行われているのは半数に届かず、そのニーズは極めて高いと報告されている。救急隊員への周産期救急対応教育の重要性を認識し、現在、全国の救急隊員を対象として、日本母体救命システム普及協議会(J-CIMELS)や Basic Life Support in Obstetrics (BLSO)等のシミュレーション教育の普及のための支援が望まれる。
救急車に新生児蘇生用器具一式(バッグ・マスクなど)を常備することを国・地方自治体に働きかけることが望まれる。
地方自治体に対して、妊娠中の B 群溶血性連鎖球菌スクリーニングを、「産婦人科診療ガイドライン」で推奨する時期に公的補助下に一律に実施できる制度を構築するよう働きかけることが望まれる。
※ 「産婦人科診療ガイドライン-産科編 2014」では、腟分泌物培養検査(GBS スクリ-ニング)を妊娠 33 週から 37 週に実施することを推奨しているが、検査費用の公的補助制度によって同時期の実施が難しい地域がある。
事例番号:280249
□ 学会・職能団体に対して
産科医療の介入がなされていない自宅分娩、車中分娩などの事例の集積を行い、対応策を検討することが望まれる。
事例番号:280248
□ 学会・職能団体に対して
わが国における既往帝王切開(とくに古典的子宮切開法)の子宮破裂の発生頻度や発生状況について全国的な調査を行い、発症の予知や予防法について検討することが望まれる。
事例番号:280247
〇 小児科病棟入院後の動脈血ガス分析にて血糖 3mg/dL と低血糖を認めた状態で、治療開始後、約 13 時間血糖値の測定の有無が診療録に記載のないことは一般的でない。
事例番号:280246
〇 「原因分析に係る質問事項および回答書」によると、分娩誘発に関する妊産婦への説明と同意は口答で行ったとされており、この対応は一般的ではない。
〇 チアノーゼを伴う無呼吸発作が 10 数時間に渡り繰り返している状況で自院にて経過観察としたことは医学的妥当性がない。
事例番号:280245
〇 妊娠 33 週 5 日 14 時 50 分からの胎児心拍数陣痛図所見(基線細変動の増加を伴った反復する高度変動一過性徐脈、遷延一過性徐脈)において、15
時 00分に経過観察の指示としたことは賛否両論がある。
〇 妊娠 33 週の早産、前期破水で発熱を認め、胎児心拍数陣痛図上、高度変動一過性徐脈が頻発している状況で、帝王切開決定から児娩出までに 62
分を要したことは一般的ではない。
事例番号:280244
〇 妊娠中の管理はおおむね一般的であるが、外来診療録の記載が少ないことは一般的ではない。
〇 胎児心拍数陣痛図では胎児機能不全の所見を認める状態で、子宮収縮抑制薬を使用して妊娠を継続の方針としたことは一般的ではない。
事例番号:280243
□ 学会・職能団体に対して
高齢双胎妊娠では、妊娠高血圧症候群などの母体合併症発症リスクが高くなる。高齢女性の不妊治療における多胎妊娠発生防止策の構築が望まれる。
事例番号:280242
□ 学会・職能団体に対して
入院前(陣痛開始前)に発症した異常が中枢神経障害を引き起こしたと推測される事例を集積し、原因や発症機序についての研究を推進することが望まれる。
事例番号:280241
〇 高血圧合併妊娠、子宮内胎児発育遅延と診断後、妊娠 33 週以降の胎児推定体重について、診療録に記載がないことは一般的ではない。
事例番号:280240
□ 学会・職能団体に対して
早産期の脳室周囲白質軟化症の発症、および脳性麻痺発症の原因や病態生理に関して、更なる研究の推進が望まれる。
事例番号:280239
〇 妊娠中(妊娠 39 週、40 週 2 日)に実施したノンストレステストの判読所見が診療録に記載されていないことは一般的ではない。
〇 妊娠中(妊娠 39 週、40 週 2 日)のノンストレステスト所見で胎児心拍数異常(遷延一過性徐脈)が出現している状態で、バックアップテストを行わず、外来管理としたことは一般的ではない。
〇 分娩監視装置の記録装置の紙送り速度を 2cm/分としたことは基準から逸脱している。
〇 妊娠 40 週 5 日受診時の胎児心拍数陣痛図で胎児心拍数異常(一過性頻脈の消失、遅発一過性徐脈)を認めている状態で分娩監視装置を外したことは一般的ではない。
事例番号:280238
〇 陣痛誘発を実施する前にインフォームド・コンセントの詳細を診療録に記載していないことは一般的ではない。
事例番号:280237
□ 学会・職能団体に対して
胎児心拍数陣痛図や臍帯動脈血ガス分析値に重篤な胎児低酸素症や酸血症の所見を認めず、さらに出生後の経過にも異常を認めない児において、どの程度の頻度で脳室周囲白質軟化症がみられるのか、また、その発症機序に関する調査・研究を行うことが望まれる。
事例番号:280236
□ 学会・職能団体に対して
原因不明の脳性麻痺事例について、情報を集積し原因の究明や対策についての研究が望まれる。
地方自治体に対して、妊娠中の B 群溶血性連鎖球菌スクリーニングを、「産婦人科診療ガイドライン」で推奨する時期に公的補助下に一律に実施できる制度を構築するよう働きかけることが望まれる。
※「産婦人科診療ガイドライン-産科編 2014」では、腟分泌物培養検査(GBS スクリーニング)を妊娠 33 週から 37 週に実施することを推奨しているが、検査費用の公的補助制度によって同時期の実施が難しい地域がある。
事例番号:280235
〇 分娩経過中の胎児心拍数陣痛図の所見について、医師・助産師による記載が少ないことは一般的ではない。
事例番号:280234
□ 学会・職能団体に対して
入院前(陣痛開始前)に発症した異常が中枢神経障害を引き起こしたと推測される事例を集積し、原因や発症機序についての研究を推進することが望まれる。
事例番号:280233
□ 学会・職能団体に対して
常位胎盤早期剥離は、最近の周産期管理においても予知が極めて困難であるため、周産期死亡や妊産婦死亡に密接に関与する。
常位胎盤早期剥離の発生機序の解明、予防法、早期診断に関する研究を推進することが望まれる。
事例番号:280232
□ 学会・職能団体に対して
早産児におこる脳室周囲白質軟化症(PVL)の発症頻度や発症機序、管理に関する調査・研究を行うことが望まれる。
事例番号:280231
〇 緊急帝王切開術の決定後、基線細変動の減少および遅発一過性徐脈が頻繁にみられる状態で分娩監視装置による連続監視を終了したことは医学的妥当性がない。
〇 帝王切開決定から施行まで約 3 時間かかったことは一般的ではない。
事例番号:280230
〇 入院時の胎児心拍数陣痛図にて、反復する遅発一過性徐脈が認められ、妊娠高血圧症候群、HELLP 症候群が疑われた状況で、バックアップテストを行わず分娩監視装置を終了し、3
時間 12 分後に分娩監視装置を装着したことは一般的ではない。
〇 帝王切開の決定から児を娩出するまで約 1 時間 33 分要したことは、一般的ではない。
事例番号:280229
〇 既破水、子宮口全開大の状態で 1 時間 24 分連続的モニタリングを行わず、ドップラ法による間欠的胎児心拍数聴取のみで分娩監視をしたことは基準から逸脱している。
〇 22 時 51 分以降、胎児徐脈を認める状態で、22 時 51 分に胎児心拍数基線 120拍/分、22 時 55 分に胎児心拍数 120
拍/分台と判読し、23 時 00 分まで医師に連絡せず様子観察としたことは一般的ではない。
〇 出生時、自発呼吸を認めず心拍数 40 回/分台の状態で胸骨圧迫を開始し、生後 2 分からバッグ・マスクによる人工呼吸を行ったことは一般的ではない。
事例番号:280228
□ 学会・職能団体に対して
PVL の発症に関する研究を推進することが望まれる。
事例番号:280227
〇 妊娠 33 週の妊婦健診で内子宮口付近に臍帯を確認し、その後の妊婦健診で子宮頸管所見、臍帯の位置を確認せずに外来での経過観察を継続したことには賛否両論がある。
事例番号:280226
□ 学会・職能団体に対して
早産未熟児の脳室周囲白質軟化症(PVL)の発生機序、予防法、早期診断に関する研究を推進することが望まれる。
事例番号:280225
〇 当該分娩機関における対応(分娩監視装置装着、超音波断層法実施、常位胎盤早期剥離の診断、帝王切開決定から 56 分で児娩出)の医学的妥当性には賛否両論がある。
事例番号:280224
□ 学会・職能団体に対して
脳性麻痺の原因が不明の事例について集積し、原因や発生機序について、研究の推進が望まれる。
事例番号:280223
〇 前期破水から約 14 時間後に母体発熱(体温 38.6℃)、胎児頻脈(胎児心拍数基線 160 拍/分以上)を認めた際に、血管確保を行ったことは一般的であるが、発熱から約
2 時間が経過した時点で子宮内感染と診断し、抗菌薬の投与を開始したことは一般的ではない。
〇 妊娠 40 週 5 日 22 時 50 分頃の胎児心拍数陣痛図では、レベル 3(胎児心拍数基線 180 拍/分の頻脈、変動一過性徐脈)の所見を認め、23
時 20 分頃からはレベル 5(基線細変動減少を伴う高度遅発一過性徐脈)の状況において、超音波断層法などを実施し、23 時 43 分に帝王切開を決定したことは選択されることは少ない。
事例番号:280222
〇 妊娠 35 週 6 日 1 時 30 分の陣痛発来後に分娩監視装置を装着せずに経過観察した時間帯があることは基準から逸脱している。
事例番号:280221
〇 当該分娩機関において、特発性血小板減少性紫斑病の治療に反応して血小板が増加しているあいだに反復帝王切開を行う(妊娠 35 週 4 日に分娩する)とする分娩方針は、選択されることは少ない。
事例番号:280219
入院後の分娩監視の方法として、ドップラ法による間欠的児心拍聴診の間隔が 4 時間 15 分ないし 5 時間 3 分であったこと、また、分娩監視装置の装着の間隔が約
12 時間空いたことは一般的ではない。
事例番号:280218
□ 学会・職能団体に対して
新生児の母児同室管理に関して学会レベルの指針の作成が望まれる。
ALTE(乳幼児突発性危急事態)の実態調査、病態解明、防止策を策定することが望まれる。
ALTE に対する注意喚起や知識の普及、周知を行うことが望まれる。
事例番号:280217
〇 妊娠中の管理は概ね一般的であるが、妊娠 25 週に外子宮口 1 指開大していた未経妊婦より、妊娠 26 週に「色のついた帯下あり」との電話があったとき、様子をみるよう指示したことは選択されることは少ない。
事例番号:280216
〇 5%ブドウ糖 500mL にオキシトシン 5 単位を溶解し、オキシトシンの開始時投与量(60mL/時間)、増量間隔(18~22 分)および増加量(15mL/時間)、最大投与量(130mL/時間)は基準から逸脱している。
〇 バイタルサインを測定し、状態観察を行った後に母子同室としたことは選択肢のひとつであるという意見と、家族からみた経過によると、児の呼吸が苦しそうな状態で母子同室を行ったことは一般的ではない、という意見があり、出生当日に母子同室としたことは賛否両論がある。
事例番号:280215
〇 入院当日の胎児心拍数陣痛図で軽度遅発一過性徐脈を認めた後、監視の強化(分娩監視装置の持続装着)を行わずに経過観察としたことは一般的ではない。
〇 コントラクションストレステストの目的でジノプロストン錠を用いたことは、一般的でない。
〇 ジノプロストン錠使用中に、胎児心拍数陣痛図記録を中止し、経過観察とした時間帯があることは基準から逸脱している。
事例番号:280214
〇 妊娠 36 週 1 日の胎児心拍数陣痛図で、特に大きな異常はないと判読し、経過観察としたことは選択されることは少ない。
〇 子宮底圧迫法の実施の詳細について、診療録に記載がないことは一般的ではない。
事例番号:280213
〇 妊娠 40 週 2 日、メトロイリンテル(80mL)を挿入中に分娩監視装置による連続モニタリングを行わなかったことは基準から逸脱している。
〇 妊娠 40 週 2 日 17 時 53 分、胎児心拍数低下確認、分娩監視装置装着後、遷延一過性徐脈を認め、メトロイリンテル脱出後に頻脈が持続している状況で、19
時 43分に分娩監視装置を終了し、経過観察としたことは一般的ではない。
〇 無呼吸に対しバッグ・マスクによる人工呼吸を生後 2 分で開始したことは選択されることが少ない対応である。
事例番号:280212
□ 学会・職能団体に対して
早産期の脳性麻痺発症の原因や病態生理および分娩管理に関して、さらなる研究の推進が望まれる。
事例番号:280211
〇 羊水過多傾向にある妊産婦において、原因検索およびそれに基づく診断や治療方針についての記載が少ないことは一般的ではない。
〇 出生後の新生児管理についての記載がないことは一般的ではない。
事例番号:280210
□ 学会・職能団体に対して
脳性麻痺の原因が不明の事例について集積し、原因や発生機序について、研究の推進が望まれる。
事例番号:280209
□ 学会・職能団体に対して
原因不明の脳性麻痺発症の事例を蓄積して、疫学的および病態学的視点から、調査研究を行うことが望まれる。
事例番号:280208
□ 学会・職能団体に対して
早産期の脳性麻痺発症の原因や病態生理に関して、更なる研究の推進が望まれる。
絨毛膜羊膜炎および胎児の感染症や高サイトカイン血症は脳性麻痺発症に関係すると考えられているが、そのメカニズムは実証されておらず、絨毛膜羊膜炎の診断法、治療法はいまだ確立されていない。
これらに関する研究を推進することが望まれる。
事例番号:280207
□ 学会・職能団体に対して
本事例においては脳性麻痺発症に関与すると考えられる異常所見を見出すことができない。
このような事例についての疫学調査や病態研究は行われていないため、事例の集積を行い、原因解明につながる研究が行われることが望まれる。
地方自治体に対して、妊娠中の B 群溶血性連鎖球菌スクリーニングを、「産婦人科診療ガイドライン」で推奨する時期に公的補助下に一律に実施できる制度を構築するよう働きかけることが望まれる。
事例番号:280206
□ 学会・職能団体に対して
いわゆる先天異常を含め胎児期の要因による脳性麻痺発症の疫学調査を行い、実態の把握と発症の機序解明に関する研究を進めることが望まれる。
事例番号:280205
□ 学会・職能団体に対して
常位胎盤早期剥離は、最近の周産期管理においても予知が極めて困難であるため、周産期死亡や妊産婦死亡に密接に関与する。
常位胎盤早期剥離の発生機序の解明、予防法、早期診断に関する研究を推進することが望まれる。
事例番号:280204
〇 19 時に陣痛開始後、21 時まで 1 時間毎の間欠的児心拍聴取としたことは賛否両論がある。
〇 新生児蘇生において、中心性チアノーゼを認め、経皮的動脈血酸素飽和度 50%台が続いている際に、ルームエアーのみで人工呼吸を行ったことは一般的でない。
事例番号:280203
〇 帝王切開の時期(妊娠 34 週、35 週を目標としたこと)については、医学的妥当性に賛否両論がある。
事例番号:280202
□ 学会・職能団体に対して
常位胎盤早期剥離は、最近の周産期管理においても予知が極めて困難であるため、周産期死亡や妊産婦死亡に密接に関与する。常位胎盤早期剥離の発生機序の解明、予防法、早期診断に関する研究を推進することが望まれる。
事例番号:280201
□ 学会・職能団体に対して
遅発型 GBS 感染症に対する疫学的調査・予防・診断・治療に対する知見の集積が望まれる。
谷直樹法律事務所
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