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原因分析報告書 事例番号280301〜280398
事例番号:280398
□ 学会・職能団体に対して
原因不明の脳性麻痺の事例集積を行い、その病態についての研究を推進することが望まれる。

事例番号:280397
〇 分娩誘発を行う際の妊産婦への同意の方法(口頭による同意)は基準から逸脱している。
〇 子宮口閉鎖の状態でメトロイリンテルを挿入したことは一般的ではない。
〇 16 時 13 分以降に頻回子宮収縮を認めており、17 時以降にオキシトシン注射液を増量したことは基準から逸脱している。

事例番号:280396
〇 帝王切開既往妊婦に対して経腟分娩の方針とすることについて、リスク内容を口頭のみで説明したことは基準から逸脱している。
〇  陣痛発来後、妊娠 40 週 6 日 22 時台に分娩監視装置を装着後、妊娠 41 週 0日 4 時 36 分まで胎児心拍数を確認せずに経過を観察したことは基準から逸脱している。
〇 子宮収縮薬(オキシトシン注射液)の使用について、口頭で同意を得た旨を診療録に記載していないことは一般的ではない。
〇 オキシトシン注射液(5 単位を 5%ブドウ糖注射液 500mL に溶解)の増加量は一般的であるが、投与開始量、増量間隔については、一般的ではない。
〇 分娩経過中の胎児心拍数陣痛図の所見について、診療録に記載がないことは一般的ではない。
〇 出生後の体温が高い状況で、原因検索をせずにアンカ使用のみで経過観察をしたことは一般的ではない。

事例番号:280395
□ 学会・職能団体に対して
原因不明の脳性麻痺の事例集積を行い、その病態についての研究を推進することが望まれる。

事例番号:280394
□ 学会・職能団体に対して
羊水塞栓症の原因が究明され、母体の循環障害や意識障害、胎児機能不全に対する対処法が確立されることが望まれる。

事例番号:280393
〇 17 時 21 分以降 19 時 41 分までの分娩監視の方法(分娩監視装置を装着せず、ドップラ法による胎児心拍数聴取のみ実施したこと)は選択されることは少ない。

事例番号:280392
〇 妊娠 40 週 6 日 9 時 30 分から 16 時 00 分までのオキシトシン注射液の使用法は一般的であるが、その 14 分後に増量したことは基準から逸脱している。

事例番号:280391
□ 学会・職能団体に対して
常位胎盤早期剥離は、最近の周産期管理においても予知が極めて困難であるため、周産期死亡や妊産婦死亡に密接に関与する。
常位胎盤早期剥離の発生機序の解明、予防法、早期診断に関する研究を推進することが望まれる。

事例番号:280390
〇 妊娠 40 週 1 日 7 時 15 分以降の胎児心拍数陣痛図で胎児心拍数波形レベル3(異常波形・軽度)を認める状況で、分娩監視装置を外し、リアシュアリングと判読して再装着まで(原因分析に係る質問事項および回答書によれば 52 分間)経過観察したことは一般的ではない。
〇 生後 6 分以降の児の観察内容や蘇生処置の実施時刻の記載がないことは一般的ではない。

事例番号:280389
□ 学会・職能団体に対して
早産期の脳室周囲白質軟化症の発症、および脳性麻痺発症の原因や病態生理に関して、更なる研究の推進が望まれる。

事例番号:280388
□ 学会・職能団体に対して
常位胎盤早期剥離は、最近の周産期管理においても予知が極めて困難であるため、周産期死亡や妊産婦死亡に密接に関与する。
常位胎盤早期剥離の発生機序の解明、予防法、早期診断に関する研究を推進することが望まれる。

事例番号:280387
〇 オキシトシン注射液による陣痛促進に際して、インフォームドコンセントを文書ではなく口頭で得たことおよび口頭で説明した内容について診療録に記載がないことは一般的ではない。
〇 オキシトシン注射液の投与方法(増量間隔と 1 回増加量、最大投与量)は基準から逸脱している。
〇 胎児心拍数陣痛図の印字時刻 14 時 20 分頃より高度変動一過性徐脈ないし遅発一過性徐脈が認められる状況でオキシトシン注射液の点滴を増量し経過を観察したことは一般的ではない。

事例番号:280386
〇 妊娠 35 週 4 日、胎動減少の訴えに対してノンストレステストを施行したことは一般的であるが、ノンストレステストの所見がノンリアクティブ・パターンを示していた状況で経過観察を行ったことには賛否両論がある。

事例番号:280385
〇 胎児心拍数パターンの評価や胎児徐脈の詳細について、診療録に記載されていないことは一般的ではない。

事例番号:280384
□ 学会・職能団体に対して
ALTE(乳幼児突発性危急事態)の実態調査、病態解明、防止策を策定することが望まれる。
ALTE に対する注意喚起や知識の普及、周知を行うことが望まれる。

事例番号:280383
〇 妊娠 40 週 2 日 18 時 44 分以降、分娩終了までの分娩監視方法(分娩監視装置の連続装着)は適確であるが、胎児心拍数陣痛図の記録速度が 1cm/分であることは一般的でない。
〇 吸引分娩の着手時刻やその時点での要約(子宮口開大度・児頭の位置)、牽引回数が診療録に記載されていないことは一般的ではない。

事例番号:280382
〇 原因分析に係る質問事項および回答書によると、帝王切開の方針決定から児娩出まで 6 時間 45 分を要したことは一般的ではない。

事例番号:280381
〇 妊産婦の基本情報や妊婦健診における諸検査の結果が診療録にないことは一般的ではない。
〇 メトロイリンテル使用の詳細について診療録に記載がないことは一般的ではない。
〇  ジノプロストン錠の投与方法は一般的であるが、4 錠目の投与は高度遅発一過性徐脈が出現した直後であり一般的ではない。
〇 オキシトシン注射薬投与開始はジノプロストン錠最終投与より1時間 30 分経過しており一般的であるが、投与開始量、その後の増量および増量間隔(5%ブドウ糖注射液 500mL にオキシトシン注射薬 5 単位を混注し 40mL/時間で投与開始、15 分毎に 10mL/時間増量)は基準から逸脱している。
〇 オキシトシン注射薬投与開始後 15 分頃より子宮収縮が頻回となり、高度遅発一過性徐脈が頻発している状況で、2 度にわたり投与量を増量したことは一般的ではない。
〇 吸引分娩の詳細について診療録に記載がないことは一般的ではない。

事例番号:280380
〇 妊娠 32 週 3 日以降妊娠期間の延長を図ったことは、選択されることは少ない。

事例番号:280379
□ 学会・職能団体に対して
早産期の脳性麻痺発症の原因や病態生理に関して、更なる研究の推進が望まれる。

事例番号:280378
□ 学会・職能団体に対して
早産期の破水の要因と臍帯脱出との関連について事例を集積し、臍帯脱出のリスクや因果関係について検討することが望まれる。
早産期の脳性麻痺発症の原因や病態生理に関して、更なる研究の推進が望まれる。

事例番号:280377
〇  メトロイリンテルの有害事象について説明したことの記載がないことは一般的ではない。
〇 ジノプロストン錠の使用方法(投与量、投与間隔、最大投与量)は基準内である。オキシトシン注射液の投与方法(ジノプロストン錠最終内服時から 1 時間以上経過後に投与したこと、5%ブドウ糖液に 500mL にオキシトシン注射液 5 単位を溶解し、増加量、増量間隔)は基準内である。しかし、開始時投与量(21mL/時間)および分娩監視装置をオキシトシン注射液開始後に装着したことは基準から逸脱している。

事例番号:280376
〇 妊娠 39 週 6 日 17 時 2 分からの胎児心拍数陣痛図を、分娩監視装置記録の紙送り記録速度 1cm/分で判読したことは基準から逸脱している。
〇 「原因分析に係る質問事項および回答書」によると、妊娠 39 週 6 日入院後に前期破水、子宮口閉鎖、微弱陣痛のためメトロイリンテルを挿入したことは選択肢のひとつである。しかし、メトロイリンテル挿入についての記載(挿入の記録および臍帯下垂の有無について)がないことは一般的ではない。
〇 オキシトシン注射液の投与方法(開始時投与量、増加量、増量間隔、最大投与量)は基準内である。「原因分析に係る質問事項および回答書」によると、メトロイリンテル挿入 20 分後に子宮収縮薬(オキシトシン注射液)を開始したことおよび妊娠 39 週6 日 11 時 5 分以降、胎児心拍数陣痛図上、胎児心拍数がほとんど取れていない状態で、オキシトシン注射液の投与を継続したことは基準から逸脱している。
〇 「事例の概要についての確認書」によると、妊娠 39 週 6 日 21 時 30 分に子宮口がやや硬いために吸引術を施行したとされており、そうであるとすれば基準から逸脱している。
〇 吸引分娩の方法(総牽引時間 40 分、吸引回数は滑脱を含む 9 回)は基準から逸脱している。
〇 吸引分娩の要約・方法および子宮底圧迫法実施時の児頭の位置について記載がないことは一般的ではない。
〇 出生直後に自発呼吸を認めない児に対し、酸素投与のみで生後 3 分まで経過をみたことは基準から逸脱している。

事例番号:280375
〇 陣痛誘発について文書による説明を行わず、口頭で説明・同意を得ていることは一般的ではない。
〇 妊娠 39 週 0 日 5 時 50 分頃以降の胎児心拍数陣痛図で異常波形(基線細変動ほぼ消失、一過性頻脈消失)を認める状況で、ジノプロストン錠を使用して陣痛誘発を図ったことは一般的ではない。

事例番号:280374
〇 妊娠 35 週 5 日に子宮内胎児発育不全、妊娠高血圧症候群の診断で、高次医療機関での精査・周産期管理目的のために紹介状を作成し後日の受診としたことについては賛否両論がある。

事例番号:280373
〇 子宮収縮薬(ジノプロストン錠、オキシトシン注射液)投与に際し、文書によるインフォームドコンセントを得たこと及び薬剤の投与方法は一般的であるが、投与中に分娩監視装置を連続装着していないことは基準から逸脱している。
〇 妊娠 40 週 3 日 16 時に胎児心拍数陣痛図をレベル 3(異常波形・軽度)と判読したことは一般的ではない。

事例番号:280372
〇 妊娠 41 週 0 日 14 時 40 分に、遷延分娩の適応でオキシトシン注射液の投与を開始したことおよび連続モニタリングは一般的である。同意の方法(口頭で説明を行い、診療録に記載をしていないこと)は一般的ではない。
〇 乳酸リンゲル液500mL にオキシトシン注射液 5 単位を溶解し、開始時投与量は基準内であるが、増加量(24mL/時間)、増量間隔(18-20 分)は基準から逸脱している。

事例番号:280371
□ 学会・職能団体に対して
地方自治体に対して、妊娠中の B 群溶血性連鎖球菌スクリーニングを、「産婦人科診療ガイドライン-産科編 2014」で推奨する時期に公的補助下に一律に実施できる制度を構築するよう働きかけることが望まれる。
※ 「産婦人科診療ガイドライン-産科編 2014」では、腟分泌物培養検査(GBS スクリーニング)を妊娠 33 週から 37 週に実施することを推奨しているが、検査費用の公的補助制度によって同時期の実施が難しい地域がある。
分娩機関に対して、胎児心拍数陣痛図は 3cm/分で記録するよう指導することが望まれる。

事例番号:280370
〇 切迫早産徴候の詳細について診療録に記載がないことは一般的ではない。

事例番号:280369
〇 分娩促進の説明と同意について、診療録に記載がないことは一般的ではない。
〇 精密持続点滴装置を使用せずに子宮収縮薬を手動で投与したことは、一般的ではない。
〇 足位の分娩様式について、文書にて説明と同意を得ていないことは一般的ではない。
〇 分娩監視装置記録の紙送り速度を 2cm/分としたことは基準から逸脱している。
〇 新生児管理(呼吸管理、循環管理)は一般的ではない。

事例番号:280368
□  学会・職能団体に対して
常位胎盤早期剥離は、最近の周産期管理においても予知が極めて困難であるため、周産期死亡や妊産婦死亡に密接に関与する。
常位胎盤早期剥離の発生機序の解明、予防法、早期診断に関する研究を推進することが望まれる。

事例番号:280367
□ 学会・職能団体に対して
入院前に発症した異常が中枢神経障害を引き起こしたと推測される事例を集積し、原因や発症機序についての研究を推進することが望まれる。

事例番号:280366
〇 子宮収縮薬による陣痛誘発について、文書を用いて説明を行ったことは一般的であるが、文書により同意を得ていないことは基準から逸脱している。
〇  ジノプロストン錠の投与方法(投与量、投与間隔)は一般的であるが、投与中に分娩監視装置を用いて連続モニタリングしていないことは基準から逸脱している。
〇 15 時 50 分に 6 錠目のジノプロストン錠を内服し、30 分後の 16 時 20 分からジノプロスト注射液投与を開始したことは基準から逸脱している。

事例番号:280365
□ 学会・職能団体に対して
常位胎盤早期剥離は、最近の周産期管理においても予知が極めて困難であるため、周産期死亡や妊産婦死亡に密接に関与する。常位胎盤早期剥離の発生機序の解明、予防法、早期診断に関する研究を推進することが望まれる。

事例番号:280364
〇 胎児心拍数陣痛図で異常所見を認めないため、15 時 32 分からジノプロスト注射液の投与を再開したことは一般的であるが、高用量から開始したことは選択されることは少ない。

事例番号:280363
〇 帝王切開決定から児娩出までに 1 時間 49 分要したことについては、賛否両論がある。

事例番号:280362
〇 妊娠 24 週以降の妊婦健診で確認された高血圧に対して、妊娠 28 週に自宅での血圧測定を指示したことには賛否両論ある。

事例番号:280361
□ 学会・職能団体に対して
原因不明の脳性麻痺の事例集積を行い、その病態についての研究を推進することが望まれる。

事例番号:280360
□ 学会・職能団体に対して
常位胎盤早期剥離は、最近の周産期管理においても予知が極めて困難であるため、周産期死亡や妊産婦死亡に密接に関与する。
常位胎盤早期剥離の発生機序の解明、予防法、早期診断に関する研究を推進することが望まれる。
また早産期の前期破水と常位胎盤早期剥離の関連に関するわが国での大規模な調査が行われていないので、そのリスク因子や早期診断に関する研究を推進することが望まれる。

事例番号:280359
〇 妊娠 40 週 2 日 5 時 8 分以降の胎児心拍数波形異常に対して助産師のみで経過観察をしたことは医学的妥当性がない。

事例番号:280358
□ 学会・職能団体に対して
脳性麻痺発症に関与すると考えられる異常所見を見出すことができない事例を集積し、疫学調査や病態研究等、原因解明につながる研究を推進することが望まれる。
地方自治体に対して、妊娠中の B 群溶血性連鎖球菌スクリーニングを、「産婦人科診療ガイドライン」で推奨する時期に公的補助下に一律に実施できる制度を構築するよう働きかけることが望まれる。
※ 「産婦人科診療ガイドライン-産科編 2014」では、腟分泌物培養検査(GBS スクリ-ニング)を妊娠 33 週から 37 週に実施することを推奨しているが、検査費用の公的補助制度によって同時期の実施が難しい地域がある。

事例番号:280356
〇 生後約 24 時間経過しても、呼吸障害(多呼吸、陥没呼吸)が持続し、かつ心雑音が聴取される児に対して、血液ガス分析や超音波断層法を行わずに自当該分娩機関で生後 2 日まで経過観察したことは医学的妥当性がない。

事例番号:280355
〇 入院決定から実際に入院するまでの約 4 時間、胎児心拍数を観察していないことは一般的ではない。

事例番号:280354
〇 子宮収縮薬(オキシトシン注射液)の投与方法について、5%ブドウ糖注射液 500mLにオキシトシン注射液 3 単位を溶解し 30mL/時間で点滴投与開始したことは一般的ではない。
〇 出生直後の児に添い乳を行う場合に、医療者による児の定期的な監視を行っていなかったことは一般的ではない。

事例番号:280352
〇 早産期の人工羊水注入の医学的妥当性は不明である。

事例番号:280351
□  学会・職能団体に対して
脳性麻痺発症に関与すると考えられる異常所見を見出すことができない事例を集積し、疫学調査や病態研究等、原因解明につながる研究を推進することが望まれる。

事例番号:280350
〇 入院後から 20 時 30 分までの胎児心拍数陣痛図において基線細変動減少、頻脈、軽度遅発一過性徐脈を認めており、分娩監視装置を終了しドップラ法による間欠的児心音聴取としたことは一般的ではない。
〇 23 時 55 分以降分娩までの胎児心拍数陣痛図において基線細変動減少、頻脈、軽度遅発一過性徐脈を認めており、経過観察としたことは医学的妥当性がない。

事例番号:280349
〇 妊娠 33 週 6 日 9 時 43 分 に妊産婦より排便時に少量の出血があったが、安静で改善したと電話連絡があった際、安静・経過観察を指示し症状が増えるようであれば再度電話連絡するよう伝えたことは他の症状や増悪傾向がない状態では選択肢のひとつであるという意見と、早産歴がある患者の性器出血の訴えに対して受診を勧めなかったことは一般的ではないという意見の賛否両論がある。

事例番号:280348
□ 学会・職能団体に対して
胎児胸水の原因究明、胎児期の管理・評価法および新生児の治療の開発研究が望まれる。

事例番号:280346
〇 陣痛誘発に関し口頭のみで同意を取得したとされているが、診療録に事前に説明した内容や同意を得たことの記載がないことは一般的ではない。
〇  ジノプロストン錠内服による陣痛誘発中に分娩監視装置を用いた連続モニタリングを実施しなかったことは一般的ではない。

事例番号:280345
〇 原因分析に係る質問事項および回答書によると、常位胎盤早期剥離疑いと診断し、帝王切開決定から 1 時間 39 分で児を娩出したことについては時間がかかりすぎるという意見と、時間を要したことはやむをえないとする意見の賛否両論がある。

事例番号:280344
□ 学会・職能団体に対して
ALTE(乳幼児突発性危急事態)の実態調査、病態解明、防止策を策定することが望まれる。
ALTE に対する注意喚起や知識の普及、周知を行うことが望まれる。
母子同室での授乳(特にベッド上での添乳)中の新生児呼吸障害は複数事例報告されていることから、その防止対策を検討し、指針を作成することが望まれる。

事例番号:280343
特になし

事例番号:280342
〇 妊娠 40 週 4 日 1 時 35 分頃から基線細変動の減少を伴う高度遅発一過性徐脈ないし遷延一過性徐脈認めている状態で、急速遂娩開始まで 25 分程度を要したことは一般的ではない。
〇  新生児蘇生法として気管挿管と同時に炭酸水素ナトリウムを投与したことは一般的ではない。
〇 重度の新生児仮死で出生した状況で、速やかに高次医療機関 NICU へ新生児搬送を行わず自院にて管理したことは一般的ではない。

事例番号:280341
〇 子宮収縮薬(ジノプロスト注射液)の投与方法については初期投与量、1 回の増加量は基準内だが、30 分以内に増量したことは基準から逸脱している。また、子宮収縮薬使用中に分娩監視装置を連続装着しなかったことは基準から逸脱している。
〇 妊娠 41 週 5 日 17 時 35 分、子宮口全開大頃から胎児心拍数陣痛図の異常を認める状態で経過観察としたことは一般的ではない。
〇 オキシトシン注射液による陣痛促進に関して、初期投与(10mL/時間で点滴開始)は基準内であるが、22 時 25 分から 20 分後に 50mL/時間の増量を行ったことは基準から逸脱している。
〇 吸引分娩の実施方法は基準から逸脱している。
〇 吸引術不成功後、子宮底圧迫法を併用し吸引を継続したことは基準から逸脱している。

事例番号:280340
〇 搬送分娩機関において、胎児心拍数陣痛図の記録速度を 1cm/分で記録したことは基準から逸脱している。

事例番号:280339
〇 妊娠 36 週 3 日胎動減少・消失を主訴として受診した際、ノンストレステスト(NST)など産婦人科診療ガイドラインの解説に記載されている評価法を何も行わず、超音波断層法で胎児心拍数の確認のみを行ったことは一般的ではない。
〇 入院後の胎児心拍数陣痛図で基線細変動が消失した状態に対して超音波断層法を施行したことは医学的妥当性があるが、超音波断層法で胎児心拍数波形異常の原因が明らかではないにも関わらずその約 1 時間後に帝王切開の方針としたこと、方針決定から 1 時間 22 分後に児を娩出したことは時間がかかりすぎており一般的ではないという意見と、既に中枢神経障害が確立されており帝王切開を急ぐ必要はないという意見の賛否両論がある。

事例番号:280338
〇 分娩誘発についてのインフォームドコンセントの内容が診療録に記載されていないことは一般的ではない。
〇 分娩誘発に使用したオキシトン注射液の単位、溶解液の種類・量が診療録に記載されていないことは一般的ではない。
〇 オキシトシン注射液投与中に分娩監視装置を用いて連続監視していないことは一般的ではない。
〇 分娩監視装置記録の紙送り速度記録速度を 1cm/分としたことは基準から逸脱している。
〇 診療録に陣痛開始後の胎児心拍数陣痛図の判読所見の記載がないことは一般的ではない。
〇 当該分娩機関において、アプガースコアの採点と新生児搬送までの児の状態についての記録がほとんどないことは一般的ではない。
※ 児が新生児仮死で出生した場合はアプガースコアおよび児の状態を診療録に詳細に記録することが必要である

事例番号:280336
〇  妊娠39週4日に経腟分娩困難、帝王切開の可能性が高いことを妊産婦に説明したが、診療体制等に関する情報によると、妊娠39週6日入院後に、自然陣痛発来であれば、経腟分娩トライアルで良いと考え経過観察したとされており、そのことに対しての記載がないことは一般的ではない。
〇 吸引分娩実施時の児頭の位置について記載がないことは一般的ではない。
〇 帝王切開決定から児娩出まで1時間6分要したことは一般的ではない。
〇 生後 1 日 3 時 30 分に低血糖(血糖 24mg/dL)を認めている状況で、経管栄養法でブドウ糖の投与を行ったことは一般的ではない。
〇 生後 1 日 8 時に無呼吸発作頻回、哺乳不可の状況で、約 7 時間後に高次医療機関へ搬送したことは医学的妥当性がない。

事例番号:280334
〇  妊娠 39 週 3 日 23 時頃の妊産婦からの連絡時の詳細についての記録(出血量、出血の性状、子宮収縮・下腹部痛・胎動の有無およびそれに基づく判断と対応について)がないことは一般的ではない。

事例番号:280333
□ 学会・職能団体に対して
原因不明の脳性麻痺の事例集積を行い、その病態についての研究を推進することが望まれる。
地方自治体に対して、妊娠中の B 群溶血性連鎖球菌スクリーニングを、「産婦人科診療ガイドライン」で推奨する時期に公的補助下に一律に実施できる制度を構築するよう働きかけることが望まれる。
※ 「産婦人科診療ガイドライン-産科編 2014」では、腟分泌物培養検査(GBS スクリ-ニング)を妊娠 33 週から 37 週に実施することを推奨しているが、検査費用の公的補助制度によって同時期の実施が難しい地域がある。

事例番号:280332
〇 生後 10 分自発呼吸が安定していたため、カンガルーケアを行ったことは選択肢のひとつであるという意見と、出生直後に新生児仮死があった場合に、カンガルーケアを行ったことは一般的ではないという意見の賛否両論がある。

事例番号:280330
〇 学会・職能団体に対して
常位胎盤早期剥離は、最近の周産期管理においても予知が極めて困難であるため、周産期死亡や妊産婦死亡に密接に関与する。常位胎盤早期剥離の発生機序の解明、予防法、早期診断に関する研究を推進することが望まれる。

事例番号:280329
〇  診療録に吸引分娩の適応の記載がないことは、一般的ではない。

事例番号:280328
〇 入院後の胎児心拍数陣痛図の所見(基線細変動の消失、繰り返す遅発一過性徐脈)が持続している状態で、経過観察を行ったことは一般的ではない。
〇 呼吸障害や経皮的動脈血酸素飽和度の低下が頻回に出現している状態で、経過観察したことは医学的妥当性がない。

事例番号:280327
□ 学会・職能団体に対して
母児間輸血症候群について、その病態・原因・リスク因子の解明と生後の早期対応についての指針策定が望まれる。
胎動の減少、消失に対して、その病態、原因、リスク因子の解明をし、対応についての指針を策定するよう検討すること望まれる。

事例番号:280326 
□ 学会・職能団体に対して
常位胎盤早期剥離は、最近の周産期管理においても予知が極めて困難であるため、周産期死亡や妊産婦死亡に密接に関与する。常位胎盤早期剥離の発生機序の解明、予防法、早期診断に関する研究を推進することが望まれる。

事例番号:280325 
〇 妊娠 33 週 4 日 19 時過ぎからの胎児心拍数陣痛図で頻脈、軽度遅発一過性徐脈の散在、基線細変動が減少から消失へと変化し、かつ、サイナソイダルパターン様の波形の出現が認められる状況で、21 時 5 分まで急速遂娩を行わずに経過観察を継続したことは一般的ではない。

事例番号:280324 
〇 妊娠 34 週 3 日 5 時 35 分頃以降の胎児心拍数陣痛図で胎児低酸素・酸血症を示唆する所見(基線細変動の減少、反復する高度遅発一過性徐脈)が出現している状況で経過観察としたことは医学的妥当性がない。
〇 妊娠 34 週 3 日、当該分娩機関入院後、超音波断層法で常位胎盤早期剥離徴候(胎盤後血腫の有無)を確認したことは一般的であるが 、常位胎盤早期剥離と診断されなかったことには賛否両論がある。

事例番号:280323 
〇 子宮収縮薬の使用について、説明を行い同意が得られたことについて診療録に記載がないことは一般的ではない。
〇 オキシトシン注射液の単位数の記載がないことは一般的ではない。
〇 ジノプロスト注射液の中止について、診療録に記載がないことは一般的ではない。
〇 ジノプロスト投与開始後に分娩監視装置を装着したことは一般的ではない。

事例番号:280321 
〇 オキシトシン注射液による陣痛誘発の方法(20-30分ごとに0.83mlU/分の増量) は一般的ではない。

事例番号:280320 
□ 学会・職能団体に対して
精神科と産科が連携して、周産期メンタルヘルスケア体制を構築することが望まれる。

事例番号:280319 
〇 生後 1 日までの児の排尿に関すること、および 生後 2 日に低体温および低血糖が発生したこと、6 時 00 分に心電図モニターを装着したことについて、看護スタッフが医師に報告した記録がないことは一般的ではない。

事例番号:280318 
〇 入院時の胎児心拍数陣痛図で基線細変動消失、高度遅発一過性徐脈、高度 変動一過性徐脈を認める状態で約 30 分後に分娩経過を医師に報告したことは一般的ではない。

事例番号:280317 
〇 胎児発育不全児の分娩経過中に連続モニタリングを行わず間欠的胎児心拍聴取法のみで胎児管理を行っていた時間帯があったことは一般的ではない。
〇 吸引分娩の方法(牽引回数)の記載がないことは一般的ではない。
〇 重度の胎児発育不全を認める児に対して速やかに新生児搬送をせず生後 3日まで自院にて管理したことは一般的ではない。

事例番号:280316 
〇  妊娠 39 週 6 日 7 時 24 分からの胎児心拍数陣痛図において、胎児心拍数基線 170-180 拍/分、基線細変動(+)、一過性頻脈(+)、一過性徐脈(-)と判読し、8 時 11 分に分娩監視装置を終了したことは基準から逸脱している。
〇 児の状態を観察した時刻や搬送時刻の記載がないことは一般的ではない。

事例番号:280315 
〇 脳神経症状のある新生児を高次医療機関の NICU に搬送したことは一般的であるが、生後 2 日であったことは選択されることは少ない。

事例番号:280314 
〇 超音波断層法による胎児および胎児付属物所見や内診所見について診療録に記載されていないことは一般的ではない。
〇 子宮収縮薬使用に際して、文書による説明と同意を得たことは一般的であるが、適応について記載がないことは一般的ではない。
〇 人工破膜の目的・医師の判断および人工破膜時の内診所見に関して診療録に記載がないことは一般的ではない。
〇 妊娠 40 週 2 日 0 時 55 分以降、子宮収縮薬(ジノプロスト注射液)を増量継続し、急速遂娩を行わずに搬送までに一時間経過観察としたことは劣っている。

事例番号:280313 
□ 学会・職能団体に対して
地方自治体に対して、妊娠中の B 群溶血性連鎖球菌スクリーニングを、「産婦人科診療ガイドライン」で推奨する時期に公的補助下に一律に実施できる制度を構築するよう働きかけることが望まれる。
※ 「産婦人科診療ガイドライン-産科編 2014」では、腟分泌物培養検査(GBS スクリ-ニング)を妊娠 33 週から 37 週に実施することを推奨しているが、検査費用の公的補助制度によって同時期の実施が難しい地域がある。

事例番号:280312 
□ 学会・職能団体に対して
脳性麻痺発症に関与すると考えられる異常所見を見出すことができない事例を集積し、疫学調査や病態研究等、原因解明につながる研究を推進することが望まれる。

事例番号:280311
〇  陣痛開始後の胎児心拍数陣痛図において、頻脈、基線細変動減少、変動一過性徐脈が認められる波形レベル分類 4(異常波形・中等度)の状態で、経腟分娩の方針としたことは賛否両論がある。

事例番号:280310
〇  同日 6 時からの分娩監視装置装着が終了した後、分娩監視装置またはドップラ法による胎児心拍数聴取が行われないまま 9 時 5 分の児娩出に至ったことは選択されることが少ない対応である。

事例番号:280309
□ 学会・職能団体に対して
国・地方自治体に対して、妊娠中の B 群溶血性連鎖球菌スクリーニングを、「産婦人科診療ガイドライン」で推奨する時期に公的補助下に一律に実施できる制度を構築するよう働きかけることが望まれる。
※ 「産婦人科診療ガイドライン-産科編 2014」では、腟分泌物培養検査(GBS スクリーニング)を妊娠 33 週から 37 週に実施することを推奨しているが、検査費用の公的補助制度によって同時期の実施が難しい地域がある。
脳性麻痺発症に関与すると考えられる異常所見を見出すことができない事例を集積し、疫学調査や病態研究等、原因解明につながる研究を推進することが望まれる。
双胎妊娠の脳性麻痺発症事例を集積し原因解明につながる研究を推進することが望まれる。

事例番号:280308
□ 学会・職能団体に対して
脳性麻痺の原因が不明の事例について集積し、原因発生機序について、研究の推進が望まれる。
地方自治体に対して、妊娠中の B 群溶血性連鎖球菌スクリーニングを、「産婦人科診療ガイドライン」で推奨する時期に公的補助下に一律に実施できる制度を構築するよう働きかけることが望まれる。
※ 「産婦人科診療ガイドライン-産科編 2014」では、腟分泌物培養検査(GBS スクリーニング)を妊娠 33 週から 37 週に実施することを推奨しているが、検査費用の公的補助制度によって同時期の実施が難しい地域がある。

事例番号:280307
□ 学会・職能団体に対して
常位胎盤早期剥離は、最近の周産期管理においても予知が極めて困難であるため、周産期死亡や妊産婦死亡に密接に関与する。
常位胎盤早期剥離の発生機序の解明、予防法、早期診断に関する研究を推進することが望まれる。

事例番号:280306
特になし

事例番号:280305
〇 妊娠 33 週 1 日の入院時の胎児心拍数陣痛図を基線細変動消失、一過性頻脈の消失と判読した状況で、帝王切開の開始まで約 3 時間要したことについては、賛否両論がある。

事例番号:280304
〇 急速遂娩の方法として、児頭の位置 Sp-1cm の状態で吸引分娩を実施したことは基準から逸脱している。
〇 吸引分娩の方法(総牽引時間 25 分、吸引回数 8 回)は基準から逸脱している。

事例番号:280303
□ 学会・職能団体に対して
脳性麻痺発症に関与すると考えられる異常所見を見出すことができない事例を集積し、疫学調査や病態研究等、原因解明につながる研究を推進することが望まれる。

事例番号:280302
□ 学会・職能団体に対して
死戦期帝王切開の症例の集積および解析、特に新生児予後への影響を検討されることが望まれる。

事例番号:280301
〇 妊娠 39 週 4 日23 時 30 分から翌日 2 時 02 分までの間、助産師から医師への報告や立ち会いの要請が行われた記録が診療録にないことは一般的ではない。