下級審医療判例real estate
名古屋地判平16.6.25
主 文
1 被告は,原告Aに対し,金2579万2869円及びこれに対する平成10年1月18日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2 被告は,原告B,同C及び同Dに対し,それぞれ金719万7623円及びこれに対する平成10年1月18日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
3 原告らのその余の請求を棄却する。
4 訴訟費用は,これを5分し,その4を被告の負担とし,その余は原告らの負担とする。
5 この判決は,1項及び2項に限り,仮に執行することができる。
事実及び理由
(略)
第3 当裁判所の判断
1 診療経過
第2の1の事実,証拠(甲4,5,18,乙1の1,2ないし19,21,証人H,同G,原告A,同D,鑑定の結果)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実を認めることができ,この認定を覆すに足りる証拠はない。
(1) 11日の診療経過
ア Eは,11日午前9時30分ころ,入浴中に,咽頭部から下顎部にかけて及び胸部にちくちくした痛みを感じ,次第に息苦しさや胸痛も出てきたため,午後0時30分ころ,F病院の救急外来を受診し,G医師の診察を受けた。
初診時,Eの意識は清明だったが,顔色は不良で冷や汗があり,血圧が高かった。G医師は,Eについて,血液検査,胸部レントゲン検査,胸部単純CTスキャン検査,心電図検査,胸部腹部超音波検査などを指示して実施した。
Eは,同日午後2時ころ,狭心症との診断を受けてF病院に入院したが,冠血管拡張剤や鎮痛剤の処方等を受け,夕方ころまでに症状が軽減した。
なお,胸部レントゲン検査,心電図検査などの結果,格別な所見は認められなかったが,胸部腹部超音波検査の結果,I技師から,総合所見として以下のような報告がなされた(乙3の27頁)。
「@)脂肪肝
A)前立腺肥大
B)胆石症
C)解離性動脈瘤検索は必要。造影CT。」
G医師は,かかる報告を受けて,Eについて胸部造影CTスキャン検査の実施を指示した。
イ 同日実施された胸部の単純CTスキャン検査(乙5ないし8)及び造影CTスキャン検査(乙9,10)の結果,剥離内膜像は認めず,ごく少量の心嚢液の貯留と大動脈弓部の部分的拡張をわずかに認め,下行大動脈の壁肥厚像を認めたが,G医師は,大動脈内に細い三日月状で白く濃く写っている像(乙7の下段中央及び右端,乙8の上段左端。鑑定の結果によれば,これらの像が早期血栓閉塞型大動脈解離の比較的わかりやすい像とされる。)が大動脈解離を示唆する像であることは読影できなかった。
G医師は,上記CTスキャン検査の結果や臨床症状を考え,Eについて,大動脈解離である可能性は低いと判断した。
(2) 12日以降15日までの入院診療経過
ア 12日,Eに胸痛はなく,格別自覚症状の訴えもなかった。
イ 12日,13日の午後から発熱が認められたが,抗生物質の投与などにより両日とも夜には熱が下がった。13日には,胸部レントゲン検査の結果,少量の胸水が認められ,血液検査の結果,CRP検査値が高く炎症所見が認められた。
ウ 14日,Eから格別自覚症状の訴えはなく,G医師は,E及び原告Aらに対して,「検査の結果,特に異常はない。肋膜に水が溜まっており,そのせいで胸が痛むのではないかと思われる。水は日が経てば自然に抜ける。」旨説明した。
エ Eは,15日に退院し,今後は,通院治療によって経過観察をすると共に糖尿病を中心とした内科的治療を受けることになった。
(3) 17日の外来受診経過
ア 17日午後3時15分ころ,Eは,G医師の外来診療を受けた。
Eは,血圧が高かったが,自覚症状は特になかった。G医師は,Eに,糖尿病に対する内服薬の服用の再開と次回の内科受診を指示した。
イ Eは,その後F病院から帰宅する途中,同病院の駐車場で,停車していた乗用車に自車を接触させる事故を起こした。事故の相手方と話していた際,Eは,激しい胸内苦悶感,右下肢痛を来したため,病院に戻り,午後5時ころ,再度外来を受診した。
ウ G医師が診察したところ,Eは,右足部が血行障害のため蒼白で,右下腿から腰部にかけての痛みと右足のしびれ感を訴えていた。G医師は,心電図検査,血液検査,胸部レントゲン検査などを指示して実施し,酸素吸入,輸液等の処置をした。連絡を受けた原告D,同AがF病院に行くと,Eは,激しい胸痛などのため,ほとんど言葉を発することができないような状態であった。
同日午後6時20分ころには右足部の血行がやや改善し,同日午後8時30分ころまでに,右下腿から右足部の血行障害はほぼ消失した。しかし,胸苦しさがなお続いており,同日午後9時30分ころ,Eは再入院した。
(4) 17日から18日の入院診療経過
ア Eは,17日の入院時にも,左背部から右胸部にかけての突き刺すような痛み,四肢冷感,四肢しびれ感などを訴え,その後,胸痛に加えて腰部痛も訴えたが,G医師が鎮痛剤を処方すると,症状は治まった。
18日朝,G医師がEを診察したところ,胸痛などの訴えはなかった。
イ F病院においては,非常勤の放射線科医師であるH医師が2週間に一回程度の割合で来院し,同病院で撮影されたレントゲン検査ないしCTスキャン検査の画像を読影し,その結果を報告していた。H医師は,17日に来院した際,11日に実施されたEの胸部単純及び造影CTスキャン検査の画像を読影し,「上行大動脈から下行大動脈(胸部)の造影されない壁肥厚像がみられる(下行に目立つ。)。内腔の剥離内膜像は示さず。心嚢水がわずかにある。大動脈弓部に拡張が部分的にある。大動脈解離。ディべーキーT型を考える。」旨放射線科検査報告書に記載した(乙3の33頁)。
G医師は,18日朝,H医師による上記報告書を見て,再度,11日に実施されたEの胸部CTスキャン検査の画像を読影したが,大動脈解離との診断に与することができず,同CTスキャン検査の結果及び18日朝に下肢の血行障害や胸痛が治まっていたことなどEの臨床所見に照らして,Eについて大動脈解離と診断することは困難であると判断した。
ウ 18日午前10時ころ,Eが胸が締めつけられるような感じを訴え,F病院からの連絡により,原告A,同Dらが同病院に駆けつけた。同日午後0時ころ,Eが胸痛を訴え,Eに付き添っていた原告Aらが看護婦に訴えた。看護婦はG医師に,Eから胸苦しさの訴えがある旨連絡したが,同医師は,そのまま経過をみるように指示した。
同日午後1時50分ころ,Eが白目をむき,いびきをかき始めるなど容態が急変した。原告Aらがすぐに看護婦を呼んだが,看護婦が駆けつけた時にはEの呼吸は停止しており,両上肢に痙攣様の動きが認められた。G医師らは,Eに対して蘇生措置を講じたが,同日午後6時45分,Eは死亡した。Eの死因について,G医師は,何らかの原因によって急性心不全になったものと考えた。
2 大動脈解離について
証拠(甲2,乙19,鑑定)及び弁論の全趣旨によれば,大動脈解離に関する医学的知見として,以下の事実が認められる。
大動脈解離とは,大動脈壁の中膜部分に解離が生じて内膜と外膜に分離される病態を指し,解離により形成された偽腔が大動脈壁及び大動脈分枝に伸展,波及することにより,種々の臓器虚血,出血,機能障害が引き起こされる。急性大動脈解離の典型的な初発症状は,突然生じる激烈な胸痛及び背部痛である。
大動脈解離は,突然発症して急速に死に至ることがまれではない疾患であるが,適切な内科的,外科的治療が実施されれば,良好な予後が期待できる。
大動脈解離の代表的な病型分類として,エントリー(内膜亀裂)の部位を重要視するディべーキー分類と,上行大動脈に解離病変があるか否かで分類するスタンフォード分類とがある。ディべーキーT型は,エントリーが上行大動脈にあって,解離病変(偽腔)が上行大動脈から下行大動脈にまで及ぶものをいい,スタンフォードA型は,上行大動脈に解離病変があるものをいう。
大動脈解離のうち,ディべーキーT型及びスタンフォードA型については,原則として,手術治療を要する。
ただし,スタンフォードA型であっても,解離病変がすべて早期に血栓で閉塞し(早期血栓閉塞型),上行大動脈の拡大が軽度である大動脈解離については,降圧療法すなわち血圧のコントロールと絶対安静による内科的治療だけで,手術治療を要せずに治癒するものも多い。
3 11日から15日の間における転医義務違反の有無(争点(1)ア)について
(1) 原告らは,CTスキャン検査の結果,急性大動脈解離と診断可能な画像を得ておきながら,G医師が急性大動脈解離を見逃した旨主張する。
この点,前記1(1)認定の診療経過及び鑑定の結果によれば,Eは,11日のF病院の受診時に,既に急性大動脈解離を発症していたものと推認でき,G医師は,客観的には,11日のEの診察時に,急性大動脈解離を見逃していたものというべきである。
しかし,かかるG医師の診断が過失であるか否かについては,当該医師が属する専門領域における医師として,当時の医療水準に照らして通常要求される診療上の注意義務に違反したと認められるか否かが判断されなければならない。
そこで検討すると,鑑定の結果においても,11日に実施された胸部の単純及び造影CTスキャン検査の結果(乙5ないし10)について「このCT所見は典型的な所見ではなく,心臓血管の専門家でない一般外科医の場合,見逃す可能性はかなり高いと思われる。」との結論が示されているところ,G医師は,昭和45年に医師資格を取得した腹部外科の医師であって心臓血管の専門家ではない(乙21,証人G)。また,鑑定によれば,大動脈解離を示唆する像としては大動脈内に細い三日月状で白く濃く写っている部分(前記1(1)イで言及した像)がある他には,大動脈解離と判断できる明確な所見はないものと判断できるところ,放射線科医師であるH医師も,鑑定が指摘するような上記「大動脈解離を示唆する像」を読影していたとは認められない(乙3の33頁,19,証人H)。
そうすると,G医師がCTスキャン検査の結果,急性大動脈解離であると診断しなかったことに,心臓血管の専門家でない外科医として,当時の医療水準に照らして医師としての注意義務違反があったということはできない。
よって,原告らの上記主張は採用できない。
また,原告らは,G医師がH医師による胸部CTスキャン検査の読影結果を無視したとも主張する。しかし,前記1(4)で認定したとおり,H医師が読影結果を報告したのは17日のことであり,G医師はその報告を18日朝に見たのであるから,少なくとも,11日から15日におけるG医師の注意義務違反の有無に関して,H医師の読影結果を考慮することはできないというべきである。よって,原告らの上記主張は採用できない。
以上の検討に加えて,突然,咽頭部痛及び胸痛を来した旨の主訴からは,大動脈解離のほかに,心筋梗塞,肺梗塞,狭心症,急性心膜炎などの疾患も疑われること(証人H調書18頁)等も考え合わせると,11日から15日の間において,G医師がEを急性大動脈解離の手術が可能な医療機関に転送すべき注意義務があったということはできない。
(2) 以上のとおり,争点(1)アについての原告らの主張は採用できない。
4 17日における転医義務違反の有無(争点(1)イ)について
前記1(3)ウの認定事実によれば,Eは,17日午後5時ころに外来を再受診した際,右足部が血行障害のため蒼白で,右下腿から腰部にかけての痛みと右足のしびれ感を訴えており,その後もしばらくの間,激しい胸痛などのためにほとんど言葉を発することができないような状態であったのである。そして,前記2で認定したとおり,急性大動脈解離の典型的な初発症状が突然生じる激烈な胸痛などであり,解離の伸展により臓器虚血などが引き起こされること等からすると,17日午後5時ころの外来受診時に,Eは,急性大動脈解離の典型的な症状を示していたものと認められる。
そうすると,F病院においては,大動脈解離の疑いがあると診断した患者は他の病院に転送していたというのであるから(証人G),G医師は,遅くとも17日中には,Eを急性大動脈解離の手術が可能である医療機関に転送すべき注意義務があったというべきである。
よって,本件においてEを転送しなかったG医師には,上記の診療上の注意義務を怠った過失があるといわざるを得ない。
この点,被告は,17日午後5時ころの外来受診の後,Eは胸部痛などが治まり血行障害が改善されており,かかる症状の変化から一般外科医が大動脈解離と診断することはできず,かえってG医師は,Eが交通事故によって何らかのショック症状を来したものと考えた旨主張する。しかし,上記外来受診時のEの症状については,鑑定においても,「再解離(解離の伸展)が生じた場合の典型的な症状があった。」「17日から18日にかけての症状の変化で急性解離を疑わなかったことは,初歩的なミスと言われても仕方ないであろう。」などの指摘がなされているところであり,被告が主張するような事実経過等を考慮してもなお,G医師の上記過失を否定することはできない。
5 因果関係(争点(2))について
鑑定の結果及び弁論の全趣旨によれば,Eは,大動脈解離の急激な伸展によって死亡したものと認められ,鑑定において,「心タンポナーデや冠動脈閉塞その他の致命的な症状が出現する前の全身状態が良好なうちに手術が施行できたならば,救命率は少なくとも80パーセント以上であったと考える。」との見解が示されている。
前記1(4)ア,ウで認定した17日から18日の入院診療経過及び鑑定の結果によれば,Eは,18日朝には胸痛などの訴えがなく小康状態であったところ,同日午前10時ころに胸が締めつけられるような感じを訴え,その後胸痛を訴えていることから,Eの大動脈解離は,18日午前10時ころ,心臓側に伸展し,心タンポナーデなどの致命的な合併症を併発したものと推認できる。
そうすると,本件において,遅くとも17日中に,Eを急性大動脈解離の手術が可能な医療機関に転送すべきであったことは前記4のとおりであるから,Eが17日中に転送されていたとすれば,18日午前10時ころには,転送先の医療機関において急性大動脈解離に対する緊急手術が実施されて,Eが救命される蓋然性が高かったものと推認することができ,この推認を覆すに足りる証拠はない。
したがって,前記4認定のG医師の診療上の過失とEの死亡との間には相当因果関係があるというべきであり,G医師の使用者である被告は,不法行為(民法715条の使用者責任)に基づき,G医師の過失と相当因果関係のある原告らの損害を賠償する義務がある。
6 損害(争点(3))について
(1) Eの逸失利益 1818万5738円
ア 就労分について
証拠(甲3の1,4,原告A)によれば,Eは,死亡当時66歳であり,Mに勤務して年間248万円の給与及び賞与の支払を受けていたもので,Mには70歳まで在職できることになっていたと認められるから,就労可能年数を70歳までの4年間とするのが相当である。そして,証拠(甲5)及び弁論の全趣旨によれば,原告A及び本件当時E夫婦と同居していた原告Dの生活は,主としてEの収入によって支えられていたと評価できるので,生活費控除を4割として,ライプニッツ方式により中間利息を控除すると,上記4年間のEの就労不能による逸失利益(4年に対応する係数は3.5459)は,次の計算式のとおり527万6299円となる(1円未満切り捨て)。
計算式 2,480,000×(1−0.4)×3.5459=5,276,299
イ 年金分について
証拠(甲3の2ないし4)によれば,Eは,平成9年度に,老齢基礎年金及び老齢厚生年金として年額271万3296円,J銀行厚生年金基金として年額282万1512円並びに全国信用金庫厚生年金基金として年額90万4080円の合計643万8888円の支給を受けていたものと認められる。また,Eの死亡により,原告Aが遺族一時金として1124万3100円,遺族厚生年金として年額225万5500円を受領していることは,原告らが自認するところである。
Eは,平均余命までの16年間は上記年金等の支給を受けることができたと認められるところ,Eの生活費として,就労可能と認められる70歳までの4年間は4割を,その後は5割を控除し,ライプニッツ方式により中間利息を控除すると,上記16年間のEの年金等受給権の喪失による逸失利益(4年に対応する係数は3.5459,16年に対応する係数は10.8377)は,次の計算式のとおり1290万9439円となる(1円未満切り捨て)。
計算式 (6,438,888−2,255,500)×{(1−0.4)×3.5459+(1−0.5)×(10.8377−3.5459)}−11,243,100=12,909,439
ウ 上記アとイの合計は,1818万5738円となる。
(2) E本人の慰謝料 2500万円
Eの年齢,職業,家族構成,診療経過等本件に現れた一切の事情を考慮すると,Eの精神的苦痛に対する慰謝料は,2500万円と認めるのが相当である。
(3) Eの損害賠償請求権の相続による承継
そうすると,被告は,Eに対し,不法行為(民法715条の使用者責任)に基づく損害賠償として,上記(1),(2)の合計4318万5738円の支払義務があることになる。原告らは,Eの相続人としてその相続分に応じ,上記4318万5738円の請求権を,原告Aはその2分の1である2159万2869円,原告B,同C及び同Dはそれぞれその6分の1である719万7623円ずつ相続したものということができる。
(4) 葬儀費用 原告Aにつき120万円
原告らが行ったEの葬儀について,G医師の過失と相当因果関係のある葬儀費用としては,原告ら主張のとおり,原告Aにつき120万円と認める。
(5) 過失相殺法理の類推適用について
この点,被告は,Eが以前から高血圧で大動脈弓部の部分的拡張もあったもので,Eの血管その他の循環器官に被害の拡大を誘引する病的素因が存在していたから,過失相殺の法理が類推適用されるべきである旨主張する。しかし,「病的素因」の具体的な内容や程度は明らかでなく,それがEの死亡に何らかの影響を及ぼしたことを認めるに足りる証拠もないし,一般に医師は医療の専門家として,患者がなんらかの病的素因を有していることを前提として医療行為をすることが予定されているのであるから,本件において過失相殺をするのは相当でなく,被告の上記主張は採用できない。
(6) 弁護士費用 原告Aにつき300万円
本件事案の性質,審理の経過,認容額等諸般の事情を考慮すると,G医師の過失と相当因果関係のある弁護士費用の額を,原告Aにつき300万円と認めるのが相当である。
7 まとめ
以上によれば,被告は,原告Aに対して上記6(3)の2159万2869円,同(4)の120万円及び同(6)の300万円の合計2579万2869円,原告B,同C及び同Dに対してそれぞれ上記6(3)の719万7623円並びに上記各金員に対するEが死亡した平成10年1月18日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払義務があることになる。
第4 結論
よって,原告らの本訴請求は,被告に対し前項記載の金員の支払を求める限度で理由があるからこれを認容し,その余の請求はいずれも理由がないからこれを棄却し,訴訟費用の負担につき民訴法61条,64条を,仮執行の宣言につき同法259条1項を適用して,主文のとおり判決する。
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