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下級審医療判例real estate

名古屋地判平17.1.27
                   主      文
1 被告は,原告Aに対し,4174万6454円並びに内金3794万6454円に対する平成12年3月7日から支払済みまで年5分の割合による金員及び内金380万円に対する平成17年1月28日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2 被告は,原告B及び同Cに対し,それぞれ,2008万6472円並びに内金1828万6472円に対する平成12年3月7日から支払済みまで年5分の割合による金員及び内金180万円に対する平成17年1月28日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
3 原告らのその余の請求をいずれも棄却する。
4 訴訟費用は,これを10分し,その3を原告らの負担とし,その余を被告の負担とする。
5 この判決は,1項及び2項につき,仮に執行することができる。
                   事実及び理由
(略)
第4 当裁判所の判断
1 説明義務違反の有無等について
(1) F医師は,本件手術前日である3月6日午後8時ないし9時ころ,Dの病室を訪れ,Dに対し,「削るという方法(アテレクトミー)を追加するかもしれません。」と説明し,Dの承諾を得た旨証言している。
この点,前記前提となる事実,乙2号証,証人Fの証言及び弁論の全趣旨によると,@被告病院においては,治療に使用するカテーテルを在庫として保存しておらず,治療を行うに先だって,検査画像から動脈の太さ等を判断し,治療に必要となるカテーテルを業者に発注して準備しておく必要があること,また,AF医師は,Dの入院の前週に,本件手術の準備のために本件造影検査結果を検討していること,BDの入院診療録の3月6日欄(乙2号証7頁)に,F医師が「明日,アテレクトミー予定」と記載していること,CF医師は,本件当時,できるだけ全例において,手術前日に患者の病室を訪れ,患者の状況を把握するようにしていたことが認められる。これらの事情に照らすと,上記F医師の証言に不自然な点はなく,他に同証言の信用性に疑いを抱かせる事情もうかがわれないから,同証言に沿う事実を認定できる。
(2) また,F医師は,前記前提となる事実で認定したとおり,本件手術について,病変部を風船やステントにより拡張するなどの説明を行った上で,D及び原告Aから,「右腸骨動脈経皮形成術」を実施することについての同意書の提出を受けているところ,鑑定の結果及び弁論の全趣旨によると,「経皮的血管形成術」との名称は,バルーン血管形成術や,ステント,アテレクトミー等,カテーテルを用いて血管内の狭窄病変を拡張又は切除し,内腔の拡大を図る手術の総称として使われることのあることがうかがわれる。
(3) 上記の事情に,前記前提となる事実(5)イで認定したアテレクトミーとバルーン血管形成術における合併症の内容の類似性や,合併症発症率を合わせ考慮すると,風船等により病変部を拡張するなどの説明をした上で,「右腸骨動脈経皮形成術」を実施することについての同意書の提出を受けている本件においては,削るという方法を追加するかもしれない旨を伝えたことをもって,アテレクトミーについての説明は一応尽くされていると解することができる。
なお,原告らは,アテレクトミーとバルーン血管形成術とでは,合併症の発生機序等が異なるから,アテレクトミーを追加する場合には,アテレクトミーの合併症等について,患者らに十分に説明すべきである旨主張するところ,鑑定人もこれと同旨の指摘をしている。しかし,そもそも治療内容に関する説明が必要とされるのは,治療行為による身体の侵襲等について患者の承諾を得る,又は患者が治療内容を自ら選択,決定する機会を保障するなどの趣旨と考えられるところ,上記の事情に照らすと,本件におけるF医師の説明が,アテレクトミーそのものの説明としては必ずしも十分でなかったとしても,これにより,Dの本件手術に対する承諾の効力が左右されるということはできないし,Dが自己に対する治療内容を選択,決定する機会を不当に侵害されたとまでは認められない。
そうすると,上記原告らの主張を採用することはできない。
2 アテレクトミーの適応性判断における過失の有無について
(1) 証人Fの証言,鑑定の結果及び弁論の全趣旨によると,前記前提となる事実で認定したDの治療経過,本件造影検査及び本件手術中に行われた各検査の結果等に照らして,F医師が,本件手術手技としてアテレクトミーを選択したことは適切であったことが認められる。
(2) 原告らは,甲6号証の記述を根拠として,Dの病状がアテレクトミーの適応のあるものであったのか疑問であると主張する。しかし,証人Fの証言及び弁論の全趣旨によると,甲6号証は,冠状動脈に対するアテレクトミーの適応について述べられたものであって,本件のような外腸骨動脈又は総腸骨動脈に対するアテレクトミーについても同様に当てはまるものとは認められないから,上記原告らの主張は採用できない。
3 手技上の過失の有無等について
(1) Dが死亡するに至る経緯について
ア 甲4号証(死亡診断書),乙2(6頁,病理解剖報告書),4号証,証人Fの証言,鑑定の結果及び弁論の全趣旨によると,@Dの直接死因は,本件穿孔による出血性ショックであること,A同穿孔部は,右総腸骨動脈と右内外腸骨動脈の分岐部付近(右総腸骨動脈側)に位置するところ,同位置は,本件手術においてアテレクトミーを施行した範囲に含まれること,B同穿孔は,長さ約4oのもので,死亡直前に生じたものと推定されるものであることが認められる。
イ 乙4号証及び弁論の全趣旨によると,被告病院は,病理解剖や病理組織検査の結果,本件でDが出血した原因について,アテレクトミーにより薄くなった動脈壁が破れたことによるものと判断し,その旨,書面(乙4号証)により原告Aに報告したことが認められ,また,前記前提となる事実(4)オのとおり,病理解剖に立ち会ったF医師が,原告Aらに対し,アテレクトミーにより動脈壁が薄くなったところが破れて出血を起こしたと考えられる旨説明していることが認められる。
ウ これらの事情に,前記前提となる事実で認定した本件手術後の経過,証人Fの証言及び鑑定の結果を合わせ考慮すると,Dが死亡するに至る経緯については,3月8日午前3時ころ,本件手術におけるアテレクトミーによって薄くなった動脈壁に,体動に伴う血圧の上昇等の何らかの契機により本件穿孔が生じ,その後,同所からの出血による出血性ショックにより死亡したものと推認するのが相当である。
エ なお,本件では,前記前提となる事実で認定したとおり,本件手術中に内膜の解離様所見が認められているところ,被告は,同内膜の解離が本件における出血の原因になった可能性がある旨主張している。しかし,証人Fの証言,鑑定の結果及び弁論の全趣旨によると,@上記のとおり,本件穿孔部はアテレクトミー施行範囲内に位置することが認められるところ,上記解離の認められた部位(造影検査において造影剤の残留が認められた部位)は,アテレクトミー施行範囲外であると考えられること,A上記解離の生じた方向は,血流と逆向きであった可能性が高いと考えられるところ,そのような場合に,解離を原因とする穿孔が生じる危険性は低いと考えられることが認められ,その他,本件各証拠によるも,上記解離と本件穿孔又は出血との間に何らかの関係があることをうかがわせる事情は認められない。そうすると,上記解離が本件穿孔又は出血の原因となったと認めることはできない。
(2) アテレクトミーによる切除深度等について
ア 乙9,12,13,22号証,証人Fの証言,鑑定の結果及び弁論の全趣旨によると,次のとおり認めることができる。
(ア) 血管壁は,血管内腔から,内膜,中膜及び外膜の3層から成っているところ,動脈硬化の場合,そのうちの内膜が肥厚,硬化して弾力性を失い,血液の流通が悪くなっている。
(イ) アテレクトミーは,内膜病変のみを取り除き,中膜は無傷のまま残す,すなわち中膜が血流の循環因子にさらされずに,かつ内膜に亀裂や断裂を作らずに,血管内腔を拡大するというコンセプトで開発された(乙13号証(「日本外科学会雑誌1996年第97巻第7号『アテレクトミー』」))。
しかし,アテレクトミーは,手技が複雑であり,シンリダー状のカッターを内臓しているハウジング部分(前記前提となる事実(5)ア(エ)a)の方向を病変部に正しく向けないと非有意病変部の動脈壁を切除し,血管穿孔の原因となると指摘されており(鑑定書4頁),穿孔の危険性があるので慎重に施行すべきであるとされている(乙9号証(「日本医学放射線学会誌 平成8年第56巻第9号『閉塞性動脈硬化症に対するアテレクトミーの治療成績』」))。
(ウ) F医師は,アテレクトミーの施行について,病変部のある内膜のみを切除することが理想的であるものの,実際には,中膜の一部まで切除することも多いが,外膜が残っていれば,すぐに破れることはない旨考えており(甲12号証13頁,13号証19頁。証人Fの証人調書53頁),鑑定人も,アテレクトミーが施行された場合に穿孔が生じるのは,切除が外膜まで及ぶことに起因すると指摘している(鑑定書4頁)。
上記の(ア)ないし(ウ)に認定したところによると,アテレクトミーの施行において,その深度をコントロールすることは必ずしも容易なことではなく,これを施行する医師は,ハウジング部分の方向及び切除の深度を慎重に操作すべきであって,殊に外膜まで切除すると穿孔を生じる危険性が高くなるので,切除深度が外膜には及ばないように注意すべきものであると解される。
イ 本件手術における切除深度について検討する。
(ア)a 被告病院において行われた病理組織検査の結果については,組織学的所見として,「検体では一部に石灰沈着やコレステリン裂隙を伴い,硝子様変性・肥厚を示す内膜組織,および,内膜弾性線維,中膜組織成分を見る。内膜弾性線維では増生,走行の乱れが見られる。炎症細胞浸潤は乏しい。外膜成分ははっきりしない。」とされている(乙2号証16頁)。
b ところが,鑑定人は,@本件の組織標本の中に,内膜及び中膜が断裂しているだけでなく,外膜の一部の断裂像が認められること,AG大阪市立大学大学院病理病態学教授の判断を参考にすると,本件の切除標本から,明確に外膜が含まれていると断定はできないものの,Elastica van Gieson 染色による切除標本において,赤色成分の多い病変は膠原線維が豊富であることを示しており,これが外膜組織に似ていることなどによると,本件アテレクトミーによる切除は,血管病変の外膜まで及んでいたと考えられる旨指摘する(鑑定書10頁,鑑定補充書7頁)。
c 被告病院のH病理部長は,鑑定人の上記指摘を争い,@アテローム性変化の強い内膜は,しばしばElastica van Gieson 染色によって赤色調の変化をきたすことによると,鑑定人の指摘する部位は,アテローム性変化の強い内膜である可能性が十分考えられること,A通常動脈の中膜には弾性線維が多く存在し,Elastica van Gieson 染色では黒い線として,染色されるところ,本件において,鑑定人の指摘する部位から弾性線維が認められないことによると,切除標本内に外膜成分が採取されている可能性は極めて低いと考えられる旨指摘する(乙23号証2〜3頁)。
(イ)a 上記のとおり,被告病院において行われた病理組織検査の結果においては,検査対象に外膜成分が含まれているかどうか明確でないとされているところ,鑑定人は,本件アテレクトミーによる切除が外膜まで及んでいたと考えられる旨指摘し,H病理部長は,これを争っている。そこで,この点について検討するに,H病理部長の上記指摘をみると,上記(ア)c@については,アテローム性変化の強い内膜であるとの可能性が考えられる旨をいうにすぎない。また,同Aは,本件における剖検組織での当該血管を検討すると,中膜,外膜境界部までアテローム性変化が及んでいないので,同境界部が採取されているのであれば,必ず弾性線維が認められるはずであるとの知見を前提としており(乙23号証3頁),この点においても,中膜,外膜境界部が同時に採取されているのであれば,との留保を置いているのであって,採取の対象に関する正確な認識を前提とするものでないことが明らかである。また,動脈硬化が高度になると,中膜の一部の組織が破壊,置換され,弾性線維が消失することがあるところ(乙23号証3頁),本件においては,前記前提となる事実(2)イ,エ及びカのとおり,Dの右外腸骨動脈は動脈硬化によって狭窄し,石灰化が強いことからアテレクトミーを行う必要があるものと判断されたことが認められる。そうすると,上記の切除標本の対象とされた部位については動脈硬化が高度化し,中膜,外膜境界部の弾性線維が消失した可能性を否定することができない。
上記に検討したところによると,H病理部長の指摘をもって,前記鑑定人の指摘を排斥することは困難であるといわざるを得ない。
b そして,本件においては,(a)F医師自身,アテレクトミーを施行した部分と穿孔が生じた部分は場所的に一致すると認識していること(甲13号証13頁),(b)前記前提となる
事実(3)のとおり,1回目のアテレクトミーの実施後,狭窄の残存が認められたことから,2回目のアテレクトミーが実施されたことによると,2回目の施行の際にはより切除深度を増した可能性が考えられること,(c)上記認定のとおり,内膜の解離が生じたり,中膜の一部が切除されても穿孔を生ずる危険性は高いものではないこと,との事情が存することによれば,鑑定人の指摘するとおり,本件アテレクトミーによる切除深度は,外膜にまで及んでいたものと推認することができる。
なお,被告は,本件手術中からDに出血があったことを認める足りる事情がないことをもって,本件穿孔が血管壁を削りすぎたことによるものとは認められない旨主張するが,弁論の全趣旨によると,アテレクトミーによる血管壁の切除が外膜まで及んだ場合であっても,このことから,その直後に常に手術を担当した医師が明確に認識し得る程度の出血を生ずるものであるとまでは認められないから,本件手術中に被告病院の医師らが出血のあったことを認識しなかったとしても,上記認定を左右するものでないことは明らかである。
(3) 過失の有無等について
上記に検討したところによると,アテレクトミーを施行する医師は,穿孔が生ずることのないように血管壁の切除を内膜までにとどめることを目標とし,少なくとも外膜まで切除することのないよう慎重に実施する注意義務を負うと解すべきところ,F医師には,本件手術において,同注意義務に反し,外膜まで切除した過失がある。
(4) 因果関係について
ア 上記認定の事情によると,本件手術において外膜まで切除されたことを原因としてDに本件穿孔が生じるに至ったものと認めることができるから,F医師の上記過失とDが出血性ショックにより死亡したこととの間には,因果関係があるものと解される。
イ ところで,原告らは,被告病院は本件穿孔又は出血について予見することが可能であったところ,本件手術後の経過観察を慎重に行っていれば,Dを救命することができたとして,本件において被告病院が執った経過観察方法が不十分であった旨主張し,本件穿孔等について予見することが可能であったとする根拠として,@一般的に,アテレクトミーの施行後においては,血管穿孔が生じ得ると考えられること,A本件の場合,手術中に著しい血圧の低下が認められたこと,B手術中に内膜の解離が認められたこと,CF医師が動脈損傷のおそれを意識して治療を中止したことや,2時間の治療によりDが疲労していたこと,右鼠径部のシース抜去後の止血に長時間を要したことなどの事情を挙げる。
しかし,@前記前提となる事実(5)イで認定した合併症発症率や,上記3(2)で認定した事実によると,総腸骨動脈又は外腸骨動脈に対するアテレクトミー施行後の血管穿孔等の危険性は,決して高いものではないことが認められること,A前記前提となる事実,証人Fの証言,鑑定の結果及び弁論の全趣旨によると,本件手術中に認められた血圧低下の原因について,F医師が神経反射によるものと判断したことには相応の理由があると認められること,B前記前提となる事実及び上記3(2)で認定した事実によると,内膜の解離が生じたからといって,直ちに血管穿孔が生じる危険性が高まるものとは認められないこと,C本件各証拠によるも,F医師が動脈損傷のおそれを意識して治療を中止したことや,患者が疲労していたこと,止血に長時間を要したことなどの事実から,直ちに血管穿孔の危険性が高いと判断できることをうかがわせる事情は認められないことに照らすと,被告病院において,本件穿孔等について予見可能だったと解することはできない。この点,鑑定人も,被告病院において,本件穿孔等を予見することは困難であった旨の意見を述べているところである。
また,上記3(1)で認定したとおり,本件穿孔は3月8日午前3時ころに生じたものと推認されるところ,鑑定の結果及び弁論の全趣旨によると,前記前提となる事実において認定した被告病院による救命措置は適切であったことが認められ,また,仮に被告病院がより慎重な経過観察方法を執っていたとしても,Dを救命できなかったことに変わりはないことが認められる。
そうすると,本件手術後に被告病院の執った経過観察方法が適切であればDを救命することができた旨の原告らの主張は理由がないことが明らかである。
4 損害について
上記3に判示したとおり,F医師には,本件手術におけるアテレクトミーにおいて血管壁を削りすぎた過失が認められるから,被告は,民法715条及び709条により,同過失との間に相当因果関の認められる以下の損害について,原告らに賠償すべき責任がある。
(1) 逸失利益
ア 甲8ないし10号証,原告Aの本人尋問の結果及び弁論の全趣旨によると,Dが死亡する前年である平成11年における同人の給与収入額は,1548万円であったことが認められる。
イ 甲11号証の1及び2並びに弁論の全趣旨によると,@本件においては,生活費控除割合については40%とし,A就労可能年数については,Dは死亡当時72歳であったから,厚生省第17回生命表による平均余命の2分の1である6年(端数切り上げ)とし,ライプニッツ方式により中間利息を控除する(ライプニッツ係数は5.076)のが相当である。
ウ 以上を前提に,Dの逸失利益を算定すると,その額は4714万5888円となる。15480000×(1−0.4)×5.076=47145888
エ 前記前提となる事実によると,原告らは,相続により,上記Dの損害賠償請求権を次のとおり取得したことが認められる。
(ア) 原告A(2分の1) 2357万2944円
(イ) 原告B及び同C(各4分の1) 各1178万6472円
(2) 慰謝料
本件諸事情を考慮すると,原告らの慰謝料(相続により取得したDの慰謝料及び原告ら固有の慰謝料の合計額)は,原告Aにつき1300万円,原告B及び同Cにつき各自650万円を下るものではない。
(3) 葬儀費用
弁論の全趣旨によると,原告Aは,Dの葬儀費用として,137万3510円を支出したことが認められ,これは,本件と相当因果関係のある損害として認めるのが相当である。
(4) 弁護士費用
本件諸事情を考慮すると,本件と相当因果関係のある弁護士費用は,原告Aにつき380万円,原告B及び同Cにつき各180万円と認めるのが相当である。
(5) まとめ
以上を合計すると,原告らの損害は,原告Aにつき4174万6454円,原告B及び同Cにつき各2008万6472円となる。
また,上記損害に対する遅延損害金については,弁護士費用を除いた残額につき平成12年3月7日(不法行為日)から,弁護士費用につき平成17年1月28日(原告ら主張日)から各支払済みまで,民法所定の年5分の割合で認められる。
第5 結論
以上のとおりであるから,原告らの請求は,@原告Aの請求につき,4174万6454円並びに内金3794万6454円に対する平成12年3月7日から支払済みまで年5分の割合による金員及び内金380万円に対する平成17年1月28日から支払済みまで年5分の割合による金員の支払を求める限度で,A原告B及び同Cの請求につき,それぞれ2008万6472円並びに内金1828万6472円に対する平成12年3月7日から支払済みまで年5分の割合による金員及び内金180万円に対する平成17年1月28日から支払済みまで年5分の割合による金員の支払を求める限度で理由があるから認容し,その余の請求については理由がないから棄却することとし,訴訟費用の負担について民事訴訟法61条,64条本文,65条1項を,仮執行の宣言について同法259条1項をそれぞれ適用して,主文のとおり判決する。

           名古屋地方裁判所民事第4部
                       裁判長裁判官 佐久間邦夫
                          裁判官 樋口英明
                          裁判官 及川勝広

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