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最高裁医療判例real estate

最高裁医療判例
〇最判昭39・ 7 ・28民集18巻6号1241頁

過失の概括的認定 注射器具,施術者の手指あるいは患者の注射部位のいづれの消毒が不完全であったかを確定しなくても,過失の認定事実として不完全とはいえない,とした。

原判決は、前記注射に際し注射器具、施術者の手指あるいは患者の注射部位の消毒が不完全(消毒後の汚染を含めて)であり、このような不完全な状態で麻酔注射をしたのは上告人(被告)の過失である旨判示するのみで、具体的にそのいづれについて消毒が不完全であったかを明示していないことは、所論の通りである。

しかしながら、これらの消毒の不完全は、いづれも、診療行為である麻酔注射にさいしての過失とするに足るものであり、かつ、医師診療行為としての特殊性にかみれば、具体的にそのいづれの消毒が不完全であったかを確定しなくても、過失の認定事実として不完全とはいえないと解すべきである(最高裁第二小法廷昭和三〇年(オ)一五五号同三二年五月一〇日判決、民集一一巻五号七一五頁参照)。原判決には、所論の違法はない。

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